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 巨人が2年連続のリーグ制覇を達成した。日刊ゲンダイ本紙では5月20日付の紙面から、
「巨人が絶対に優勝できない100の理由」と題し、94回にわたって巨人が抱える問題点を追及、
不安要素を指摘してきた。カネに飽かせて獲得した圧倒的な戦力を擁しながら、ヤクルトとの
開幕カードに3連敗。一時は首位の阪神に13ゲームもの大差をつけられた。その間、ベンチの
采配ミス、覇気のない選手のプレー、決して少なくないチーム内の不満や火種も露呈。それらを、
叱咤激励の意味も込め、時に球団の怒りを買いながらも、回を重ねてきた。

 が、巨人はそれらのマイナス要素をはねのけ、後半戦に入って怒涛の快進撃。ヘボ阪神の失速も
あったとはいえ、セ史上最大の逆転劇を成し遂げた。それを可能にしたのは、日刊ゲンダイ本紙も、
恐らく原監督も見抜けなかったであろう、若手、脇役の活躍だった――。

(中略)

 優勝決定前日の9日、原監督は日刊ゲンダイ本紙記者にこう言った。「94回も(連載を)やったのか!?
で、もう終わっちゃうの? まだ、優勝するか分からないじゃないか」が、その表情は満面の笑み。
当日の横浜戦には敗れたが、優勝を確信したかのような顔だった。

 連載では、原監督の求心力や采配を問題にすることも多かった。それでも、「きみたちみたいな人が
いるから、ファンがいろんな巨人の話を知ることができるということもあるからね」と、余裕で受け流した
原監督。