【10月9日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)女王の大坂なおみ(Naomi Osaka)は、女子の日本選手として史上2人目となる世界ランク4位に到達する中で、2020年東京五輪で栄光をつかむことを目指している。

 今月16日に21歳の誕生日を迎える大坂は、先月米ニューヨークで行われた全米オープン決勝でセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)を破り、日本勢初の四大大会(グランドスラム)優勝者として一躍テニス界のスター選手となった。

 8日に発表された最新の世界ランキングで、キャリア最高にして女子の日本選手としては1995年の伊達公子(Kimiko Date)氏以来の4位にまで上り詰めた大坂は、今月末に行われるWTAツアー選手権(BNP Paribas WTA Finals Singapore 2018)で力強いパフォーマンスを披露することに加え、日本勢では史上初の世界トップで最高のシーズンを総括することを目指している。

 大阪府出身の大坂は、米国との二重国籍を持ちながら現在は日本代表としてプレーしている中で、背中のけがで欠場することを余儀なくされた香港オープン(Prudential Hong Kong Tennis Open 2018)で東京五輪を見据えていると明かし、「誰もが日本で開催される五輪を本当に楽しみにしている」「日本人選手全員が大会で活躍することを望んでいて、私も同じ気持ち」と報道陣にコメントした。

「心から五輪を経験したいと思っているのと同時に、金メダルを勝ち取りたいという気持ちがある。五輪に出場するなら誰もが金メダルを求めるものだから、それが私の目標。だけど、とにかく楽しい経験ができることも期待している」

 セレーナと主審との騒動によってかすんでしまったフラッシング・メドウズ(Flushing Meadows、全米オープン)での大躍進の勝利について、「ほろ苦い」ものだったと告白した大坂は、中国の名選手として知られた李娜(Na Li、リー・ナ)氏から同大会での偉業を祝福された。

 しかし、全米オープンで衝撃的な勝利を挙げてスポーツ界で名声を築きつつある20歳の大坂は、グランドスラムのシングルスでアジア勢初の優勝者となった李氏から称賛を受けたことに恐縮した様子で、「李娜さんが私のことを話してくれてうれしい!」と話した。

「一つのグランドスラムで終わるつもりは絶対にないし、もっと勝ちたいと思っているのは当然のこと。だけど、今は全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)ではなく、シンガポールに目を向けなければ」

 グランドスラム通算23勝の絶対女王を倒した全米オープンの後、大坂は東京と北京で立て続けにツアーに出場していたため大勝利のインパクトを振り返る時間はなく、「このまま前進していく。一つの場所にとどまっているつもりはないし、全米オープンで勝ったことだけを考えているような精神的な余裕はない」「これまでと違うとか、自分が変わったとかは特に感じていない」と語った。

 現在は中国オープンで痛めた背中の治療を行っている大坂だが、女子の強豪選手と一緒にシンガポールでプレーすることに「わくわくしている」とコメント。シーズン開幕当初は68位だった世界ランキングも女子の日本人選手では最高位にまで到達し、さらに歴史を塗り替える日も手が届くところまできている。

「そのことについては、自分でもすごくうれしい。(伊達)公子も世界4位まで到達したから、これで一緒に並んだことになる。まだシーズンは終わっていないから、とにかくプレーを続けて、どこまで行けるか試してみたい」

2018年10月9日 10:11 
発信地:香港/中国 [ 香港 日本 アジア・オセアニア ]
http://www.afpbb.com/articles/-/3192542?act=all
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