■03年優勝時の球団社長が看破
「今の経営陣は球団が黒字だからそこまで切迫感がないのかもしれません。
優勝から12年も遠ざかっている今、一番困っているのは熱心なファン。
彼らに喜んでもらうためにも、経営陣はしんどい思いをしないといけない。
そういう姿勢が欠けている。
勝てるチームをつくることに焦点を合わせないといけないと思います」
こう話すのは、03年優勝時の球団社長である野崎勝義氏だ。
「今のプロ野球は非常に厳しい競争下にある。
監督ひとりでは優勝できるチームはつくれません。
金本監督は3年前に超変革のスローガンを掲げて、就任した。
チーム、球団の体質を変革しないといけないというのが金本監督の認識だったと思う。
私が社長を務めていた当時(野村克也、星野仙一監督時代)は、久万オーナーにいろいろとお願いをして、外部から指導者を招聘し、外部からフロントマンや営業マンをスカウト、彼らに球団改革の知恵を出してもらった。
しかし、ここ10年くらいは、タイガースは『先祖返り』をしたように思う。
OBを大事にするのはいいが、組織の体質が弱くなっては意味がない。
スタッフがいかに能力を発揮できるか、いかにいい人材を集めるか。
組織全体として金本監督をサポートしていかないといけないと思います」
阪神は3年前に金本監督を口説いたとき、「今までの阪神をガラリと変えてくれ」と言ったという。
「ガラリ」と変えないといけないのは何より、親会社やフロントの中枢の考え方だ。