2日朝から仙台市の仙台ロイヤルパークホテルで指されていた第66期将棋王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第3局は午後9時51分、108手で、後手の中村太地王座(30)が挑戦者の斎藤慎太郎七段(25)を下した。初防衛を目指す中村王座はこれで対戦成績を1勝2敗とした。

持ち時間各5時間のうち残りはともに1分。第4局は16日に新潟県南魚沼市の龍言で指される。

開幕から2局連続で両者が得意とする角換わりの将棋になっていたが、第3局は急戦矢倉の力戦調の戦いとなった。4四角(22手目)から前例のない戦いに進み、先手は3四銀(27手目)で1歩得となったが、後手の中村王座があえて呼び込んだ格好だった。

この銀が働くか負担になるかがその後の戦いの焦点となったが、結果的に王座の狙いが奏功。「5四香(52手目)に5八香と受けさせたあたりの局面では、わずかに王座が抜け出した」(解説の飯塚祐紀七段)

その後も一進一退の攻防が続いたが、王座がわずかなリードを最後まで保ち、猛追する挑戦者を振り切って待望のシリーズ初勝利を挙げた。

【指し手】▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀△6二銀▲2六歩△7四歩▲2五歩△3二金▲2四歩△同 歩▲同 飛△8五歩▲7八金△7三銀▲3八銀△4一玉▲2八飛△2三歩▲2七銀△4四角▲2六銀△2二銀▲2五銀△3三桂▲3四銀△7五歩▲6六銀△8六歩▲同 歩△同 飛▲2四歩△同 歩▲2三歩△3一銀▲8七歩△8四飛▲7五銀△8八角成▲8四銀△4四馬▲7三銀成△同 桂▲2四飛△2一歩▲8一飛△7一歩▲9一飛成△9九馬▲7七桂△5四香▲5八香△8九角▲7九銀△7八角成▲同 銀△8八馬▲6六角△7八馬▲3三銀成△同 金▲同角成△4二銀打▲1一馬△3三銀打▲2八飛△7七馬▲4八玉△6五桂▲3六香△5七桂成▲同 香△同香成▲同 玉△5六銀▲4八玉△5七金▲3九玉△3八歩▲同 金△4七銀不成▲4九香△2四香▲同 飛△同 銀▲4七香△1一馬▲3一香成△同 玉▲3四桂△5六角▲4五銀△5九飛▲4九歩△6七角成▲5八歩△2六桂▲2二銀△同 歩▲同歩成△同 馬▲同桂成△同 玉▲3四桂△3三玉▲5五角△2三玉まで108手で中村王座の勝ち

2018/10/2 21:57 (2018/10/2 23:26更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3604702002102018000000/
https://www.nikkei.com/content/pic/20181002/96958A9F889DE1E4E2E6E5E2E0E2E2E0E3E2E0E2E3EAE2E2E2E2E2E2-DSXMZO3605242002102018CR8001-PB1-4.jpg