日本相撲協会に引退届を提出した貴乃花親方だが、肝心の引退理由をめぐって協会との間に認識のズレがあることが浮き彫りになっている。

 協会の元外部委員で漫画家のやくみつる氏は、引退の決断に「何か先走ったのでなければよいが」と危惧。NHKで大相撲担当歴が長い刈屋富士雄解説委員は、「『誤解』しているのではないか」と貴乃花親方に直言している。

■「必要条件のようには言わないだろう」

 貴乃花親方は2018年9月25日の会見で、「告発状の内容が事実無根な理由に基づいてなされたものであることを認めないと親方を廃業せざるを得ない」と要請されてきたとした。また、協会理事会で「一門に所属しない親方は部屋を持つことができない旨の決定がなされた」とした上で、自身が一門に入る「条件」として、「告発状の内容を事実無根と認めること」を提示してきたという。

 こうした貴乃花親方の主張に引っかかったのが、かつて力士暴行死事件後の再発防止検討委員会で外部委員をつとめた、やくみつる氏。26日放送の「プライムニュース イブニング」(フジテレビ系)で、「何か先走ってしまったのでなければよいがな...というのが第一印象です」とし、懸念を示した。

  「協会側として、『告発状の内容の全否定』と『一門への所属』は、直接リンクした話ではないと思う。必要条件のようには言わないだろう。ただ貴乃花親方にしてみれば、それ(告発状の内容の全否定)があたかも(一門に所属するための)必要条件のように感じられて、態度を硬化させてしまったというところではないか」

 認識のズレは、貴乃花親方の会見直後に行われた協会側の会見で浮き彫りになった。芝田山広報部長は「『一門に所属しない親方は部屋を廃業しなければならない旨の決定がなされた』とありますが、そのような事実は一切ない」と説明。所属先の一門を決める期限とされていた9月27日時点で所属が決まっていない親方がいた場合、

  「対応はこの日(27日)の理事会の場で審議する予定でした。方向性としては、もう一度期間をとって一門への所属を招請するというものでした」

と述べている。無所属を認めない理由は、「協会が一門ごとに支給する運営補助金の使途を把握し、公益法人として透明化を図る必要がある」からだとしている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180927-00000011-jct-ent&;p=2
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