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2018/09/24(月) 23:09:13.75ID:CAP_USER9スタートレックから生まれたクリンゴン語 作者が語る言語創作のコツ
2018.09.24 Mon posted at 18:04 JST
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1979年に米国のSFテレビドラマシリーズ「スタートレック」初の劇場版が公開された。この映画の冒頭シーンで、架空の異星人、クリンゴン人の戦闘員が叫ぶ(「戦闘準備!」「目標確認!」「魚雷スタンバイ!」「発射用意・・・発射!」)
これらの言葉は、映画の撮影現場で作られた。好戦的なクリンゴン人の言葉らしく、威圧的で別世界の言葉に聞こえるよう工夫された。このクリンゴン語は当初、ほとんど意味不明な短いセリフにすぎなかった。しかし、ギネス世界記録によると、今やクリンゴン語は世界で最も広く話されている人工言語だという。
このクリンゴン語を創作したのは、言語学者のマーク・オークランド氏だ。オークランド氏は、クリンゴン人が数多く登場するシリーズ3作目「スタートレック3/ミスター・スポックを探せ!」向けに、より多くのクリンゴン語を創作するために雇われた。
「プロデューサーたちは本物の言語のように聞こえるクリンゴン語を希望していた。本物の言語のように聞こえるためには、本物の言語である必要があると考えた」とオークランド氏は語る。
そこでオークランド氏は、劇場版第1作目に出てくるクリンゴン語を可能な限り書き出し、さまざまな音や音節の種類のリストを作成した。そしてそのリストを基に、言語を組み立てていったという。
喉の奥から発声
クリンゴン人は、1966年から69年まで放映されたテレビ番組「宇宙大作戦」にも登場したが、テレビ版のクリンゴン人は英語しか話さなかった。
クリンゴン人が初めてクリンゴン語を話したのは、1979年公開の劇場版1作目だ。この最初のクリンゴン語を作ったのは、この映画で宇宙船USSエンタープライズ号の機関主任スコットを演じた俳優ジェームズ・ドゥーアンだった。当時オークランド氏は、クリンゴン語の創作だけでなく、この映画の制作にも関わっていなかった。
オークランド氏が「スタートレック」に初めて関わったのは、3年後の1982年に公開された「スタートレック2/カーンの逆襲」だ。オークランド氏は、登場人物の1人、ミスター・スポックの母語であるバルカン語のセリフを書くために雇われた。「ミスター・スポックにバルカン語の話し方を教えたのはこの私だ」とオークランド氏は冗談交じりに語る。
オークランド氏は、「スタートレック3」でもクリンゴン語のセリフの執筆を依頼される。
「異星人の言語を作るのが目標だったが、一貫性を持たせるために劇場版1作目でクリンゴン人が話した言葉と同じ響きでなくてはならず、さらに俳優たちがセリフを話せるように発音可能である必要があった」(オークランド氏)
クリンゴン語が異星人の言葉らしく聞こえるよう、オークランド氏はさまざまな言語の発音を採用し、さらにいくつかの「言語学のルール」を破った。
「人間の言語はパターン化される傾向がある。調和する音もあれば、しない音もある。私はこのルールを破り、クリンゴン語に本来、同一言語内に共存するはずのない複数の音を組み込んだ。クリンゴン語の音の中で実在する言語に見いだせない音はないが、独特な音の集め方をしている」(オークランド氏)
その結果、アラビア語、トルコ語、イディッシュ語、日本語、さらにはアメリカ先住民の言語のようにも聞こえる、本物の異星人の言葉らしき言語が完成した。クリンゴン語は、喉の奥から声を出すのが大きな特徴、とオークランド氏は言う。ドゥーアンが考案した最初のクリンゴン語のセリフのかすれた音に合わせるためだ。
クリンゴン語辞典
オークランド氏は、クリンゴン語のセリフを俳優たちに教えるために、セリフをテープに録音し、さらにそれらを台本に盛り込めるよう特別な筆記システムを考案した。この筆記システムは、英語のアルファベットを使用するが、大文字と小文字が入り交じり、発音表記のように機能する。大文字は英語に存在しない音を示し、発音に多少の努力を要することを俳優らに伝えている。
(リンク先に続きあり)
「宇宙大作戦」に登場したクリンゴン人
https://www.cnn.co.jp/storage/2018/08/16/3ef71ccc147b77a6bf0934d20b1abac2/002-klingon-original-serises.jpg