日本の良さを出しながら、様々な状況に対応できるか

 例えば、W杯のベルギー戦(2-3)では2-0とリードしたにもかかわらず、ベルギーの“空爆”を制御しきれなかった。ベルギーが高さとパワーという新たな武器を出してくると、日本には対抗策がなかったわけだ。W杯のラウンド16ではフランス、ベルギー、ブラジル、ドイツなど、ひと通りなんでも揃っている相手と対戦する可能性は高い。日本が多様性を持つにはまだ時間がかかるだろうから、足りない部分をどうするかがベスト8への大きな課題になる。

 例えば、ベルギー戦に関してならば奪ったボールをキープし続けて相手を押し返し、ハイクロスを使わせない手があった。ただ、ロシアW杯のチームではそこまでのキープ力はなかったわけだ。仮にスペインがあの立場だったら、彼らはキープし続けただろう。ただ、均質型の最高峰とも言えるスペインにしても、ベスト8には進めなかったわけで、日本のベスト8進出の前にはかなり高い壁があると考えなくてはならない。

 日本の良さを出しながら、様々な状況に対応できる力をつけていくしかない。まだ最初の一歩を踏み出したにすぎない。