http://news.livedoor.com/article/detail/9302055/
この状況に立ち上がったのが、二軍打撃コーチ補佐の徐容彬(ソヨンビン)
氏(43)だった。韓国の名門チーム・韓国LGで1年目からレギュラーで
活躍した徐コーチ補佐は、今年から無給契約で中日二軍のスタッフに加わった。

「ヨンビンは懐の深さがあって、選手から信頼されていました。でも、佐伯監
督はそれが面白くなかったのか"ヨンビンの言うことは聞くな!"と言って、
チームから遠ざけてしまった。怒りに震えるヨンビンの口から聞いた
"サエキは人間としての価値がない!あんな人に会ったことがないよ"という
言葉が忘れられません」(二軍関係者)

そんな中、佐伯監督が選手の前で徐コーチ補佐を面罵する事件が起きる。

「夜に屋内練習場で行われたスペシャルの練習中、ヨンビンはバッティング
マシーンのケージの後ろに立って、2人の若手を指導していました。そこに
佐伯監督が、あれこれ言ってきた。ヨンビンが『ハイ、ハイ』と返事したら、
突如激昂。"『ハイ、ハイ』じゃないだろ!『ハイ』だッ!!"と、大声で怒鳴
りつけたというんです」(球団関係者)

日本人よりもメンツを重んじる韓国人の徐コーチ補佐だけに、これで佐伯監
督と完全に決裂してしまう。

徐コーチ補佐はほどなく退団の意思を固めるが、辞める直前の8月上旬、落
合博満ゼネラルマネージャー(GM)に直訴したというのだ。

「ヨンビンは骨っぽい男ですからね、"自分は辞めるが、選手のために現状を
落合GMに伝える"と言っていた。自分の考えを正確に伝えるために、かつて
日本球界で活躍した韓国人選手の元通訳を、わざわざ韓国から呼び寄せたほ
どです。しかし、落合GMは自分が佐伯監督を連れてきた手前、明確な回答
は避けた様子。"ヨンビン、年末までやってみたらどうだ。辞めるのはいつで
もできる"と言われ、彼は失意のまま帰国したんです」(前同)

一方、他のコーチは"面従腹背"状態だという。

「今の中日は落合GMが絶対的。その"落合案件"である佐伯監督に、
表だってタテつくことはできません」

立教大で活躍後、中日に入団した経歴を持つ、元ヤクルトスカウト部長の片
岡宏雄氏はこう語る。

「こうした話が本当ならば、あってはならないことです。球団にとって選手は、
いわば商品。指導者はそれを預かる立場ですから、殴るなど絶対にしてはい
けない。私が中日に入団した59年当時でも、暴力はもうなかった。指導者
が殴るというのは、教える才能がないということ。他人の親から人の子を預
かっていると思えば、自然と選手を大切にするはずなんですが……」