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 全日本剣道連盟(張富士夫会長)が主催する居合道の昇段審査などで不正な金銭授受があった問題で、受審者が合格させてもらう目的で審査員らに現金を渡す行為が、昭和40年代ごろには始まっていたことが18日わかった。約50年にわたって不正が続いていた可能性が浮上し、伝統ある武道の段位や称号の信頼性が大きく揺らいでいる。

 全剣連関係者によると、居合道の昇段審査に影響力がある有力者に現金を渡す行為は「○○詣で(○○は影響力のある人物の氏名)」と呼ばれ、昭和40年代ごろには始まっていたとみられる。全剣連の調査に対し、高齢の有段者から「昔は審査を受ける時に有名な人のところへ行かなきゃいけなかった」という証言も出ていて、不正が世代を超えて受け継がれてきた疑いがある。

 全剣連は2012年と16年に、受審者から審査員や指導者らに対して計2件の金銭授受があったと認定。「審査に近接した時期に金銭を授受する不適切な慣行が古くから存在していた」とも認めているが、2件以外は「証拠がなければ処分できない」としている。新たな調査についても「今後このようなことが起きないようにフォローしていく。現時点では、これ以上の調査や処分は考えていない」としている。(波戸健一)