2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会とNECは7日、都内で東京大会の会場入場時における顔認証システム採用の合同記者発表を行った。

 組織委は今大会で様々なセキュリティーを構築するが、その一つが顔認証システムだ。対象となるのは、選手、関係者、ボランティアなど約30万人。事前に顔情報を登録し、入場時に自動的に本人であることを照合することで、なりすましを防ぐ。

 組織委の警備局長・岩下剛氏は「大会関係者は重要施設に立ち入るため、より高いセキュリティーが必要だった。また、スムーズな入場も期待できる」と語った。

 顔認証システムを導入するのは五輪・パラを含めて初めて。これまではバーコードで情報を読み込み、目視で確認していたが時間がかかった。組織委の実証実験では従来のものに比べ2倍近く早くなった。ただ、顔写真を事前に登録できない一般客には適用されず、X線検査や金属探知機による検査で対応する見通しだ。

 今回、採用されるのはNECの顔認証技術。何と0・3秒で160万件のデータベースから検索可能で、認識率は99・7%に上る。これは世界ナンバーワンの高性能だという。

 NEC執行役員の菅沼正明氏は「今大会ではテロ対策が重要になってくる。観客の熱気、感動を損なうような過度な警備ではなく、さりげなさが必要。また現場の混乱、混雑を防ぐストレスフリーなチェックが求められる」と意義を強調した。

 2020年大会のテーマは、史上最もイノベーティブで世界にポジティブな改革をもたらすこと。それに合致した今回の顔認証システムは、テロ対策のみならず、日本企業の技術を世界に発信する絶好の機会にもなりそうだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180807-00000022-tospoweb-spo