勘違い成金エピソード


■100万円以下のワインは

 前沢はまだ40代に入ったばかり。伸び盛りの数年前までは、「人たらし」が行き過ぎることもあった。

 2012年の9月頃のこと。前沢は東京・表参道の高級レストランで、株主だった大手企業にまねかれ、
幹部ら3人と食事をしていた。この幹部は、スタートトゥデイがまだ規模が小さい頃から目をかけてくれて、
出資を働きかけたり、有名ブランドが出店するように口をきいてくれた「恩人」だ。

 「次は何を飲みましょうか」。ホスト側が提案すると、前沢はこう話したという。

 「僕は最近、100万円以下のワインは飲まないんですよね。こちらの店にはないようなので、店を変えて
みませんか」

 ホスト役である幹部はその場で激高こそしなかったものの、次の店には行かず、そのまま解散になった。
それ以降、このメンバーでの会食は開かれずじまいになっているという。

 ツイッターで、商品の送料がかかることを「詐欺」だとつぶやいた利用者に、ただで商品が届くと思うな、
と返信をし、問題になったのも同じ年の出来事だ。この頃から前沢は言動に慎重になりはじめた、と近しい
人物は話す。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33756090T00C18A8000000/?df=3