高校野球・夏の甲子園は出場56校が出そろった。

 今年は暑い。炎天下の甲子園は例年にまして「高校野球はこのままでいいのか論」も出るだろう。

甲子園で20勝している桑田真澄の「球数制限論」

スポーツ報知は7月31日の裏1面で「夏の甲子園100回記念スペシャル」と題し、桑田真澄と東大アメフト部ヘッドコーチ森清之の対談を載せた。

 桑田は「球数制限」を主張する。

「タイブレークが導入されましたが、僕は有望な投手の将来を守るためには球数制限を導入すべきだと思います。」「日本は力のあるエースほど連戦連投を強いられます。」

 森も「メディアは熱中症で選手が倒れたら問題視しますが、一方で『暑い中、投げきった』とか『猛練習に耐えた』と、ダブルスタンダードな部分もある」と話し、両者ともプレイヤーズ・ファーストへの転換を訴えていた。

 高校時代に甲子園で20勝している桑田真澄が言うのは説得力があるなぁと思いながら紙面をめくると、

「日大鶴ケ丘・勝又、154球力尽く 救急搬送」という見出しが飛び込んできた。

 えっ!? 救急搬送?

「酷暑の激闘で体は限界だった」

 西東京大会決勝で日大鶴ケ丘の勝又温史投手が試合後に脱水症状を伴う熱中症を発症したというのだ。先発登板した勝又投手は、サヨナラ本塁打を浴びた9回途中まで154球を投じた。

《メダル授与式後、全身に痛みを訴えた。神宮のグラウンド内まで救急車が入り、都内の病院に搬送。》

 しかも勝又投手は3回戦でも熱中症で途中降板していたという。「酷暑の激闘で体は限界だった」と記事にある。

 他紙でもエースの熱中症は大きく扱われていた。サンスポは「力尽きたエース…熱中症で救急搬送 日大鶴ケ丘・勝又」。

《試合後の表彰式には出席したが、ベンチに戻ると脱水症状をともなう熱中症で歩行も困難になり、神宮球場から救急車で東京都内の病院に搬送された。》

 ほ、歩行困難……。

 日刊スポーツも「154球……熱中症 救急車で搬送」。

《閉会式の後に体調不良を訴え、報道陣への対応前に救急車で搬送された。都内の病院で脱水症状を伴う熱中症と診断され、点滴加療を受けた。》

 これらを読むと桑田真澄の「日本は力のあるエースほど連戦連投を強いられます。」という言葉と、今年の酷暑をまざまざと思い知る。

つづく

8/3(金) 7:00配信 文春オンライン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180803-00008416-bunshun-spo

写真
https://amd.c.yimg.jp/amd/20180803-00008416-bunshun-000-1-view.jpg