>>1の続き

■「最後まで何が起こるかわからんよ」

 話を聞きながら、自分が中学時代に所属していたテニス部でのことを思い出しました。ダブルスの大会で緊張からリターンが全く入らなくなり、負けてしまいました。

 次の大会でも同じミスが続き、頭が真っ白になっていたそのとき、ペアが笑顔で近寄り、「うっちーの好きなようにしてや。あとは俺に任せとけ」と言ってくれました。肩の力が抜け、調子が戻り、試合にも勝つことができました。

 彼の言葉がなければ、立ち直れなかったと思います。本田さんを支えたのも、そんな仲間の存在でした。

 全国で勝つために楽しくも苦しい練習を積み重ねた仲間だったからこそ、本田さんに寄り添うことができたのだと思いました。彼らは、本田さんの思い出したくない失敗を笑い話に、そしてかけがえのない思い出にしていきました。

 「最後の最後まで何が起こるかわからんよ」。高校野球を通して本田さんが学んだことです。それは仕事でも同じ。「セールスの話をして、契約のハンコを押してもらうところまで、『最後まできちんと』と思いますね」