大日本印刷がAIを使ってモノクロで描かれた漫画に自動で着色するサービスの商用化を目指していると報じられ、
ネット上で話題となっている。

日刊工業新聞の報道によると、大日本印刷が開発したのは漫画のコマの内容をAIが自動で判断し、着色する技術。
細かい部分などは人間が手直しするとのことだが、すべて人間が担当する場合に比べて、作業時間はおよそ半分になるという。

海外のコミックはカラーが主流であるため、日本の漫画を海外へ輸出する際にはカラー化すべきだとの意見も多く、
大日本印刷は、海外向けに漫画を売り込みたい出版社からの需要を見込んでいるとのこと。

AIによる業務効率化がたびたび話題になる昨今。漫画の着色もAIが担うようになるということで、Twitterでは、

“すげーのでてきたー!!”
“創作が作業になっちゃうような気もするんだけど……時間かかるけど塗るのも含めて楽しいし、でも需要もあるんだろうな”
“絵を描く身としては この便利な技術 に怖さを感じるが、 今後どうなるのかな?”

など、便利さには納得しているものの、どこか複雑な気持ちを抱く人も少なくない。また、

“作者が関与していない着色は、作者が表現したかったものが歪んで伝わってしまう可能性があると思うんだけどなぁ。”
“有効利用されるならそれに越した事はないが、
作者が塗ってないカラーに価値はあるのだろうか そもそも漫画を読んでカラーが良いと思う人がいるのがいるのだろうか”
(原文ママ)

と、作者の判断によるものではない着色にクリエイティブな作品としての価値を見いだせるかどうかという点に疑問を抱く声も。
さらには、

“すごいな、いずれレイアウトもできて絵も描けるんだろうな・・・クリエイティブ系はAIはまだまだとか言われてたはずのに!
イラストレーターやデザイナー仕事マジでなくなるんじゃないかしらん。”
“いやマジで仕事がAIに奪われてく感に現実味出てきたじゃないか。”

などと、今回の一件から、AIの進化によって人間の仕事が減っていくことを実感するネットユーザーも多かった。

クールジャパン戦略において、海外でも人気の日本の漫画は重要な輸出品となるはず。
AIの導入によって作品を完成させるまでの時間が短縮する便利さはあるが、一方で、作者自らが着色し、
作品に命を吹きこむことが疎かになるのではないかとの懸念もある。今はまだ商用化を目指している段階だが、
AIによる自動着色技術は今後ますます注目度を高めそうだ。

http://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/0/8/0888f_1637_e6c8617eed6e28d012429b779f67272d.jpg

http://news.livedoor.com/article/detail/15008651/