錦織圭選手はセンターコートで行われた準々決勝で敗れた。日本人85年ぶりの4強入りはかなわなかったが、確かな進化を示した=ウィンブルドン
 創立150周年のオールイングランド・クラブ内で一番大きな、約1万5千席があるセンターコート。日本男子85年ぶりの4強を懸けた錦織選手と元世界1位のジョコビッチ選手との準々決勝はラリーの応酬となり、会場内には驚きの声と、空から降ってくるような拍手が響き渡った。
 錦織選手は元王者に勝負強さと地力の差を見せつけられたが、あの1ゲームを取っていれば、あの1ショットが決まっていれば…という場面が何度もあった。「紙一重」の印象だった。

 ハードコートのシーズンを迎える。痛めた右肘の具合は、途中棄権をしなかったため大事には至っていないだろう。創造力にあふれる錦織選手らしいプレーがまた見られるのが楽しみだ。

 四大大会の最終戦、全米オープンでは、ひょっとすると準優勝した2014年以来の躍進があるのではないか。そんな期待ができるぐらいにまで強くなって戻ってきたことが、何よりのニュースに感じた2週間だった。

 =おわり=

2018年7月14日
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