パラスポーツ普及に協力するAKB48の都道府県代表チーム・チーム8が、最も激しい競技である車いす(ウィルチェアー)ラグビーを体験しました。太田奈緒(23=京都)佐藤栞(20=新潟)佐藤朱(21=宮城)が、日本代表で16年リオデジャネイロ・パラリンピック銅メダリストの島川慎一(43=BLITZ)の手ほどきを受けながら、車いすの基本的な操作やパス、さらには実戦にも挑戦しました。大好評だった2月掲載のボッチャ企画に続き、チーム8の挑戦企画パート2です!【森本隆、小堀泰男】

 「ガキン!」「ゴンッ!」。埼玉・所沢の国立障害者リハビリテーションセンターの体育館には、鋭く、大きな金属音が何度も響いていた。工事現場か、鉄工所のようだ。音の正体は、車いす同士の衝突音だった。チーム8の3人が挑戦する車いすラグビーは、その激しさから「マーダーボール(殺人球技)」の異名を持つ、パラスポーツ唯一のコンタクト競技だ。

 佐藤栞 動画を見たんですけど、すごい衝撃ですね。家族が競技をやってたら、怖くて心配ですね…。

 島川の指導のもと、3人が車いすに乗ってみる。手袋に加え、衝突で投げ出されないようにシートベルトも着用する。3人のうち車いす経験があるのは、車いす駅伝のイベントに出演した太田だけ。佐藤朱は右に曲がろうとして、左に行ってしまった。「うわ〜! 逆だ〜」。曲がるとなると、勝手が違うようだ。

 次はパス練習。選手が投げたボールを、移動しながら捕球する。ボールが完全球形で、前方へのパスが許されるところが、一般のラグビーとは違う。移動も、パスを投げるのも、取るのも、使うのは手だけ。早くも腕はパンパンになっている。「腕が〜! 明日の握手会がぁ〜」。佐藤栞が悲鳴を上げた。

 車いすラグビーでは、10秒以内にパスか、ドリブルをしなくてはいけない。島川がドリブルを披露する。ボールを前方へ投げ上げ、バックスピンをかけたボールを拾い上げる。3人も挑戦してみるが…?

 佐藤朱 ああっ、ボールを置いてきちゃった。

 太田 ボールを投げて、車いすをこいで…そんな余裕な〜い!

 それでも、次第にコツをつかみ始めた3人に、島川がささやいた。「じゃあ、当たってみます?」。競技の醍醐味(だいごみ)でもある、車いす同士のコンタクトだ。

 島川 当たる時は、体を後傾にするのが基本です。そうでないと、むち打ちみたいになってしまうので。

 「カ〜ンッ!」、「ガンッ!」、「ゴツッ!」。

 佐藤朱 うわ〜っ! やっぱり想像を絶する衝撃です…。

 佐藤栞 事故に遭ったような衝撃でした…。

 太田 でも、慣れたら怖くないと思います!

 島川 お笑い芸人さん相手なら、遠慮なくいきますけどね。

 3人 (苦笑い)

 ひと通りの動きを学んだ3人は、実戦にも挑んだ。試合は4対4で行われ、敵陣のトライラインに置かれたトライポストの間をボールを持って通過すればトライ(1点)だ。太田、佐藤朱+2選手のチームと、佐藤栞+3選手のチームに分かれ、試合開始! すると、佐藤栞はサイドライン際をわがものとし、高速ドリブルから得点を連発した。完全にポイントゲッターだ。かと思えば、太田は佐藤朱からのパスをワンハンドキャッチしてトライした。佐藤栞はなんと10得点。3人とも見せ場十分の試合で、島川も「覚えるのが早いね。みんな普通にこいでるもんね」と舌を巻いた。


>>2以降に続きます

7/15(日) 10:10配信 日刊スポーツ
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