■アーセナル前監督 ベンゲル氏は22億円

通称「ポイチ」。混迷するサッカー日本代表次期監督人事は10日までに、W杯ロシア大会で西野朗監督(63)の下でコーチを務め、
2020年東京五輪代表監督も兼務する森保一(もりやす・はじめ)氏(49)が最有力候補に躍り出た。
看板倒れの外国人監督はもういらない。“オールジャパン”体制に舵を切った形だ。その見通しと課題を探る。 (夕刊フジ編集委員・久保武司)

森保氏が最有力候補として浮上した背景には、W杯ロシア大会開幕2カ月前にハリルホジッチ前監督が電撃解任され、
急きょ西野監督が就任するにあたって、やむなく組織された、スタッフ全員が日本人の“オールジャパン”態勢がある。
そこで生まれた最高のムード、そして2大会ぶりの決勝トーナメント進出という成功があった。

当初は西野監督の続投が有力だったが、決勝トーナメント・ベルギー戦での采配が批判を浴びたことなどから、本人が固辞。
となると、オールジャパン態勢を継承し発展させられる人材は、もはや森保氏以外に見当たらない。

森保氏の最大の強みは「彼がひとの悪口を言うのを聞いたことがない」といわれる人柄だ。
「ポイチ(森保監督)には敵がいない。彼が代表監督になれば、協会、Jリーグ関係者が一致して“ポイチ応援団”を結成。万全の支援態勢を敷くだろう」(日本代表OB)といわれる。

J1広島の監督としてJ1優勝3度(12、13、15年)、最優秀監督賞3度(同)の実績も、日本人の指導者ではピカイチといえる。
逆に弱みを挙げるなら、やや地味なイメージで、国際的な実績はほぼ皆無という点。

しかし、外国人監督の「国際的な実績」も当てにはならない。たとえば、一時次期監督の最有力候補と噂された、ユルゲン・クリンスマン氏(53)もしかり。
同氏の最大の功績は、ドイツ代表監督として母国開催の2006年W杯で3位に入ったことだが、これは当時のヘッドコーチで現代表監督のヨアヒム・レーウ氏(58)が、
練習メニューから選手掌握、揚げ句戦術に至るまで全てを取り仕切ったおかげと専らだ。「サッカー関係者なら誰でも知っていること」(Jリーグ関係者)といわれる。

日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)は10日、W杯ロシア大会準決勝以降の視察に向かう成田空港で「(クリンスマン氏の就任は)99%ない」と断言。事実上消滅した。
このように日本代表監督候補として名前が挙がる外国人は、評判と実像に格差があるケースがほとんどだ。

つづく

夕刊フジ / 2018年7月12日 17時0分
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