中東諸国が日本の名将に熱視線だ。ロシアW杯で日本をベスト16に導いた西野朗監督(63)は7月末の任期満了をもって退任する。
わずか2か月でチームを再建した手腕と勝負に徹する姿勢に評価は高まっており、カタールをはじめとする中東諸国がオファーを検討している。

その一方で“金満”で知られる中国サッカー界は日本人監督にまったく興味を示していないという。その理由とは――。

すでに退任が決まった西野監督には中東諸国が関心を示しているという。公認資格を持つ代理人は「国際舞台(W杯)で活躍したから今後はいろいろな話が出てくると思う。
特に中東では日本代表への評価は高いし、代表監督やクラブ監督としてオファーもあるんじゃないか」と指摘した。

元日本代表監督で2002年日韓W杯を指揮したフィリップ・トルシエ氏(63=現杭州緑城監督)がカタール代表監督を務め、
14年ブラジルW杯で日本を率いたアルベルト・ザッケローニ氏(65)は現在UAE代表を指揮しているが、ロシアW杯で結果を出した西野監督も中東では“優良商品”として注目されているという。

これまで代表レベルで結果を出した監督がいなかったため、中東に進出する日本人はいなかった。
しかしW杯で逆境をはね返した西野監督の手腕は大きな話題で代表ならば中東各国が覇権を競うガルフカップ、クラブならばアジアチャンピオンズリーグのタイトル奪取に向け招聘を検討するというわけだ。

特に興味を示しそうなのはカタールだ。同代理人は「(22年)W杯開催を控えて自国代表のレベルアップのためにリーグを充実させたいから大物選手や監督を集めようとしている。
資金面も政府の援助を受けられるからいくらでも…。カタールのクラブが西野さんに声をかける可能性はあると思うね」。

日本サッカー協会の川淵三郎氏(81=現相談役)は03年にトルシエ氏がカタール代表監督に就任したときに「年俸6億円もらっている」と暴露。
仮に西野監督が中東で監督を務めれば、年俸5億円以上は確実とみられており、まさに“W杯特需”だ。

一方、資金力に物をいわせる中国サッカー界はロシアW杯で活躍した日本代表MF香川真司(29=ドルトムント)や
同FW岡崎慎司(32=レスター)をはじめ欧州でプレーする日本人選手に高い関心を示しているが、西野監督や日本人監督には関心がない。

同代理人は「(中国で)日本人監督はない。(元日本代表監督の岡田武史氏が指揮を務めた)杭州緑城だって特殊ケースだったし、岡田さんも言っていたけど
『一度、反日が高まれば2、3試合はできなくなる』って。そういう中で日本人を監督にしようとは誰も考えないだろうし、そんな度胸のあるクラブはないね」と解説した。

Jクラブも西野監督への関心を強めており、日本サッカー協会も指揮官に新たなポストを検討中。日本代表の新監督の行方とともに名将の今後も気になるところだ。

7/12(木) 16:37配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180712-00000043-tospoweb-socc