ロシアW杯準決勝のフランス代表対ベルギー代表の一戦では、サンクトペテルブルク・スタジアムのスタンドに空席が相次いだ。ドイツ紙『キッカー』は、本来は便利であるはずのチケットシステムに問題があると論じている。

 アルゼンチンとウルグアイを撃破したフランス、日本とブラジルを連破したベルギーの一戦は“事実上の決勝戦”という前評判で行われた。だが、本来であれば両国のサポーターで埋め尽くされるはずのスタンドはロシア人、ブラジル人が大半だったという。

 記事では「フレンドリーマッチのようだった」と厳しい指摘。この原因は『ファンID』にあると述べている。これはチケットを購入したサポーターに、実質的なビザ(査証)が付与されるという便利なシステム。だが、先にチケットを得る必要があるという点に問題が隠されているようだ。

 準決勝のチケットは大半が組み合わせ決定前に購入されており、ブラジル人サポーターが多かったのは母国の勝ち上がりを期待してのもの。チケットを譲るという選択肢もあったはずだが、譲り先のサポーターはチケットを得ないと入国できず、“入ろうにも入れない”という「悪循環」が生じているのだという。

 チケットの公式リセール(購入したチケットを売りに出す)は可能となっているが、手続きの煩雑さも話題に。このような問題の結果として、フランスでは地元の大通りで決勝進出を祝うファンが大盛り上がりを見せたと述べられている。
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