千葉ロッテ・マリーンズの外野手・岡田幸文外野手が54打席連続無安打となり、野手(投手を除く)としてのプロ野球記録を更新した。2年近く1軍で安打を記録していないのに、何故試合に出続けられるのか。

■決め台詞「残念、そこは岡田だ」

 2018年7月10日メットライフドーム(埼玉県所沢市)で行われた埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテ・マリーンズの試合。8回途中に代走で出場したロッテ岡田選手は9回に打席が回り、セカンドゴロに倒れた。
NPBによると、これで16年10月4日の対楽天戦で3塁打を記録して以来54打席無安打となり、1993年に当時のオリックス・ブルーウェーブに所属したケルビン・トーベ内野手が記録した53打席無安打の野手記録を更新した。

今季と17年に1軍で全くヒットが出ていない。ふつうなら、チームに残留するのは難しいはず。ところが、
今季は既に48試合に出場している。その大きな理由は代走や守備固めでの起用だ。

11年にチームトップとなる41盗塁を記録しているなどその走塁技術は高い。

不名誉な記録を達成してしまった10日の対西武戦でも、8回2塁にいた岡田選手は捕手が変化球を右前方にはじいたのを見逃さず3塁へ進んだ。
井口監督は17年最下位だったチームの巻き返しに「走塁改革」を掲げており、岡田選手の存在はチームにとって大きなものといえる。

➖ 守備は岡田選手の最大の魅力。

その守備範囲の広さは背番号にちなみ、インターネットで「エリア66」とまで言われ、ファインプレーが出た際は「残念、そこは岡田だ」という決め台詞が流行ったほどだ。動画サイトでは岡田選手のファインプレーを集めた動画が数多く投稿されている。

中でも伝説的な試合が11年6月15日、東京ドームで行われた対巨人戦。2回に阿部慎之助選手の右中間へのあたりをフェンスに激突しながらもしっかりと捕球した。5回にも左中間に飛んだ坂本勇人選手の飛球をグラブの先端ギリギリのところで捕球する。更に8回、小笠原道大選手が放った右中間の飛球をダイビングキャッチ。1試合で、3度のファインプレーを見せ、敵であるはずの巨人ファンからも歓声が上がった。

11年はシーズンを通じて無失策などと大活躍、ゴールデングラブ賞を獲得した。
17年と今季においても、少ない出場機会ながら守備において堅調な活躍をしており、チームを救っている。

➖ 日本1を決めた逆転三塁打を打ったことも 

連続無安打記録を更新したといっても、打撃が不得意ではない。11年には年間で154安打を記録している。16年までは規定打席未到達の年があるものの、打率は2割5分以上を記録しており、安定した打撃成績が残せていた。

また、打撃における代表的な試合として10年日本シリーズ第7戦が挙げられる。ナゴヤドームで行われたこの試合は、中日が9回裏の土壇場でロッテに追いつき同点のまま、延長12回を迎えた。岡田選手は12回2死の場面で打席に立ち、浅尾投手から逆転適時3塁打を放ち、チームは日本一をつかんだ。

走塁、守備での活躍が顕著な岡田選手だが、打撃でも記念碑的なシーンを残しているのだ。

 3月29日のブログで、
  「凡打でも全力で1塁に走れば、ヒットをもぎ取る事も出来る」と、意気込んでいたが、果たして17年から続く長いトンネルを抜け出すことができるのか。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180711-00000005-jct-ent&;p=2