ロシアW杯に臨んだ日本はアジア勢で唯一のベスト16に進出。最後は国際サッカー連盟(FIFA)ランキング3位のベルギーに屈したものの、好ゲームを展開し、世界を驚かせた。ある代理人は「知名度も上がっているし、日本人を欲しいというクラブもある。中国でもそういう(日本人獲得の)動きがあると聞いている」と明かす。
中国はサッカーの競技力アップを国策の一つとして定めており、習近平国家主席(65)も「2050年までにW杯優勝」という目標を掲げる。そこで地盤となる国内リーグのレベルアップを実現するため、各クラブが世界クラスの選手を獲得したり一流指導者を招聘。豊富な資金力を武器に世界屈指の人材が集まっている。
すでに外国人枠をフル活用する中、アジア人枠(アジアサッカー連盟の加盟国・地域選手は外国人3枠とは別に1人を選手登録できる)で日本選手をターゲットにしているのだ。16年末には広州恒大がJ1浦和でプレーする日本代表DF槙野智章(31=浦和)にオファーを出したが、特に欧州でプレーする日本選手への関心が高いという。
同代理人は「日本人ならやっぱり(香川)真司が人気。オファーを考えているところもあるでしょう。あとは(イングランド)プレミアリーグ(のテレビ放映)をやってるから岡崎(慎司=32、レスター)も人気はあるし(獲るなら)欧州でプレーする選手になる」。
香川はロシアW杯では1次リーグ初戦コロンビア戦で日本の初ゴールをマークするなど、勝利に貢献。大会を通しても好パフォーマンスを発揮し、高い評価を受けた。本人は14年夏まで在籍したイングランド・プレミアリーグへの復帰をもくろみ、複数クラブからオファーも届いているが、中国クラブも虎視眈々と狙いを定め、香川獲得に参戦する模様だ。
現在、香川の推定年俸は500万ユーロ(約6億5000万円)と言われているが、中国移籍ならば1000万ユーロ(約13億円)まで急上昇し、移籍金も推定1200万ユーロ(約15億6000万円)から2400万ユーロ(約31億2000万円)まで跳ね上がる見込み。他の日本代表イレブンにも中国からオファーが殺到しかねない状況という。
香川をはじめ日本選手は、さらなるレベルアップを求めているため、中国に興味を示さないとみられるが、オファーが届くのは実力が認められた証し。この夏に日本選手はどんな決断を下すか。
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