日本代表イレブンを爆買いか。ロシアW杯で16強入りと躍進し、多くのクラブから熱視線を送られる西野ジャパンの選手たちの人気が“金満”で知られる中国サッカー界でも高まっている。公認資格を持つ選手代理人によると、中国クラブが欧州でプレーする日本選手の獲得を検討しており、特に日本の10番を背負うMF香川真司(29=ドルトムント)に興味を示しているという。

 ロシアW杯に臨んだ日本はアジア勢で唯一のベスト16に進出。最後は国際サッカー連盟(FIFA)ランキング3位のベルギーに屈したものの、好ゲームを展開し、世界を驚かせた。ある代理人は「知名度も上がっているし、日本人を欲しいというクラブもある。中国でもそういう(日本人獲得の)動きがあると聞いている」と明かす。

 中国はサッカーの競技力アップを国策の一つとして定めており、習近平国家主席(65)も「2050年までにW杯優勝」という目標を掲げる。そこで地盤となる国内リーグのレベルアップを実現するため、各クラブが世界クラスの選手を獲得したり一流指導者を招聘。豊富な資金力を武器に世界屈指の人材が集まっている。

 すでに外国人枠をフル活用する中、アジア人枠(アジアサッカー連盟の加盟国・地域選手は外国人3枠とは別に1人を選手登録できる)で日本選手をターゲットにしているのだ。16年末には広州恒大がJ1浦和でプレーする日本代表DF槙野智章(31=浦和)にオファーを出したが、特に欧州でプレーする日本選手への関心が高いという。

 同代理人は「日本人ならやっぱり(香川)真司が人気。オファーを考えているところもあるでしょう。あとは(イングランド)プレミアリーグ(のテレビ放映)をやってるから岡崎(慎司=32、レスター)も人気はあるし(獲るなら)欧州でプレーする選手になる」。

 香川はロシアW杯では1次リーグ初戦コロンビア戦で日本の初ゴールをマークするなど、勝利に貢献。大会を通しても好パフォーマンスを発揮し、高い評価を受けた。本人は14年夏まで在籍したイングランド・プレミアリーグへの復帰をもくろみ、複数クラブからオファーも届いているが、中国クラブも虎視眈々と狙いを定め、香川獲得に参戦する模様だ。

 現在、香川の推定年俸は500万ユーロ(約6億5000万円)と言われているが、中国移籍ならば1000万ユーロ(約13億円)まで急上昇し、移籍金も推定1200万ユーロ(約15億6000万円)から2400万ユーロ(約31億2000万円)まで跳ね上がる見込み。他の日本代表イレブンにも中国からオファーが殺到しかねない状況という。

 香川をはじめ日本選手は、さらなるレベルアップを求めているため、中国に興味を示さないとみられるが、オファーが届くのは実力が認められた証し。この夏に日本選手はどんな決断を下すか。

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