イングランド主将ケインがコロンビアMFサンチェスに倒されてPKとなったが…
 熱戦の続くロシア・ワールドカップ(W杯)で、スタンドから話題を提供してきたのがアルゼンチンの英雄ディエゴ・マラドーナ氏だ。すでに母国アルゼンチンは決勝トーナメント1回戦のフランス戦(3-4)に敗れてベスト16で姿を消したが、現地時間3日のコロンビア対イングランド戦のPK判定を巡り、「コロンビアは歴史的な強盗に遭った」と過激発言をして物議を醸した。衛星放送「スカイ・イタリア」が報じている。

 イングランドがW杯初のPK戦勝利を収めたコロンビア戦が動いたのは後半12分だった。主将のFWハリー・ケインがPKで先制点を決めたが、この判定に噛みついたのがマラドーナ氏だった。

「コロンビアは歴史的な強盗の被害者となった。レフェリーのガイガーはアメリカ人で野球のルールは知っているが、フットボールのルールについては確実に分かっていない。泥棒だ」

 問題のシーンはイングランド代表の右CKのチャンス。コロンビアMFカルロス・サンチェスは、ボールのない場面でマークについたケイン相手に激しいボディーコンタクトを試みた。最終的にはケインの背後から馬乗りになる格好となり、アメリカ人主審マーク・ガイガー氏は迷わずPKスポットを指差した。

「FIFAは旧態依然で終わっている」
「コロンビアはファウルすらしていないのに敗れた。彼はVARの要求すらしなかった」

 天才の舌鋒は鋭かった。野球しか知らないと罵倒されたアメリカ人主審のガイガー氏は、グループリーグ第2戦のポルトガル対モロッコ戦でFWクリスティアーノ・ロナウドにユニフォームをおねだりした疑惑が浮上。FIFAが疑惑を否定して火消しに走った経緯もある。

「我々はコロンビアの人民に謝罪しなければいけない。このレフェリーを選んだのはコッリーナだ。FIFAの腐敗と泥棒から無縁と思われたインファンティーノに選ばれたはずだが、この試合では全く逆のことが起きた。FIFAは旧態依然で終わっている。彼がFIFAは腐敗から無縁となったと言った時には感動したものだが、実際は……」

 マラドーナ氏はFIFA会長のジャンニ・インファンティーノ氏とFIFAの審判委員会会長を務めるイタリア人元主審、ピエルルイジ・コッリーナ氏までも滅多斬りにしていた。なお、マラドーナ氏は後日、自身の公式インスタグラムに「許されない発言があったと認める」と綴り、FIFAと審判団に謝罪の意を示している。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180706-00119813-soccermzw-socc