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かつてのブラジル代表の守護神で、現在セレソンのGKコーチ(同時に長友佑都が所属するガラタサライのコーチも務める)であるクラウディオ・タファレルは、
「日本の試合をもっと見てみたい、このチームが勝つところを見たい」と、試合中ずっと思っていたという。

日本が見せるサッカーは、危険で面白く、親しみを覚えずにはいられない。
2−0とリードしたときは、誰もがもう、日本を与しやすいチームなどとは思っていなかった。
日本が同点にされると、ベルギーがこれ以上追加点を挙げないようにと、ブラジル人は大きな声援を送った。
だが、日本はベルギーの激しい攻撃に対抗できなくなった。そしてベルギーの逆転ゴール。奇跡を起こすまであと1分だった。

かつて鹿島アントラーズを率いて多くの勝利を挙げたトニーニョ・セレーゾは、こう漏らした。
「誰もが強い、危険だと言っていたベルギーをあそこまで追い詰めた日本はすばらしい。
前半20分間の日本は、驚くほど危険なチームだった。しかし、後半になるとそれが感じられなくなった。
日本はベルギーに負けたのではなく、自分たち自身に負けたのだ」

一方、アントラーズで選手として活躍し、日本代表監督も務めたジーコは、西野監督の采配を称賛している。
「今回のW杯でうれしかったことのひとつが、日本の活躍だ。今大会、直前に監督をすげ替えたチームが2チームあった。
スペインは結局いいプレーを見せることはできなかったが、
日本は成功したといっていい。西野監督は優秀で頭がよく、非常に現代的な指揮官だった」

残念ながら今回、日本とブラジルの真剣勝負は見ることはできなかった。

しかし、かつて東京ヴェルディや浦和レッズでプレーし、Jリーグ得点王にも輝いたことのあるワシントン(現在は政治家になっている)はこう言っている。

「日本が新たなサッカーの歴史を開くことを期待していた。今の日本はベスト8に入れるだけの実力を十分に持っている。
もしここでベルギーを破っていたならば、何かが変わったはずだった。
それだけにこの敗戦はとても悲しい。しかし、近いうちに日本は必ずこの壁を打ち破るだろう」

(おわり)