アジア枠が拡大する2026年に備えて

FIFAランキング3位のベルギーにラウンド・オブ16で惜敗を喫した日本代表に対して、アジア各国のメディアも称賛の声を寄せている。

 今回のロシア・ワールドカップでグループリーグを勝ち抜き、決勝トーナメントに進出したのは、アジアから出場した5か国のうち日本だけだった。そのぶん、サッカー人気が高まりつつある東南アジア圏を中心に、サムライブルーの戦いは高い関心を集めたのだ。ましてや同地域で絶大な人気を誇るのがプレミアリーグで、そのスター選手たちがずらりと居並ぶベルギー代表が相手。注目されないわけがない。

 シンガポールに拠点を置くテレビ局『CHANNEL NEWS ASIA』は「ベルギーに敗北した日本を悲しいけれど誇りに思う」と報道。「日本はアジアの希望として唯一、決勝トーナメントに進出した。ポーランド戦は論議を呼んだが、ベルギー戦での戦い方は見事なもの。個々のスキルは不足しているものもあるが、組織としてまとまっていた。最終的には22戦無敗を誇るロベルト・マルティネス監督率いるチームが実力を証明したが、試合そのものには進化を感じた」と称えた。

 また、グループリーグでは韓国がドイツ相手に快勝を収め大勝し、イランがモロッコを破るなど、アジア勢の確かな進歩が感じられたと報じた。

 
 また、米スポーツ専門チャンネル『FOX SPORTS』のアジア版は、「日本がワールドカップでアジア勢の台頭を証明した」と評している。

「世界の大舞台で、日本が新しい歴史を作ることは叶わなかった。けれど、月曜日に行なわれたベルギーとの試合は敗北をもってしても、非常にポジティブなものを得たと思う。だが実力を底上げするにはもっと経験を積み、スポットライトが当たる場所を目ざさなければならないことも確かだ」

 2026年の北中米共催大会からは、アジア枠が一気に「8.5枠」に拡大される予定だ。近未来のワールドカップでアジア勢がより世界を驚かせるためには、「今大会で日本が世界に見せつけた姿から学びとり、よりチャンス、経験を積むために最善を尽くさなければならない」と提言し、こう締めくくっている。

「1954年のスイス大会まで、アジアは出場資格さえ所持していなかった。2002年の日韓大会から花開き始めたアジアのサッカーがここまで進化したのである。だが、これは驚くべきことではない。2026年を経て、アジアが世界最高を目ざすために必要なことを、アジア・サッカー全体で考えなければならない」

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180703-00043418-sdigestw-socc