トランプ大統領による移民政策がアメリカで論争を呼ぶなかで、米ドラマに登場する中南米系移民の過半数が犯罪者として描かれていることが明らかになった。ハリウッド・レポーター紙が報じている。

ピューリッツアー賞受賞記者であるホセ・アントニオ・バルガスが立ち上げた非営利団体Define Americaはこのほど、ハリウッドの脚本家、監督、プロデューサー向けに「Immigrants and Immigration: A Guide for Entertainment Professionals(移民と入国:エンタテインメント業界のプロフェッショナルに向けたガイド)」と題した冊子を作成。2014年4月〜16年6月に放送された米人気ドラマ40本を対象に調査したところ、中南米系の移民の半数以上、そして中東系移民の4分の1が犯罪者として描写されていたという。

 メディアによる偏向したイメージが世論に与える影響は計り知れないため、Define Americaはハリウッドがより正確に移民を描写するよう資料を作成したという。なお、冊子には移民に関するデータとともに、移民を描く際にはコミュニティにアプローチすること、専門家の意見を仰ぐこと、従来の恐怖を煽る物語のパターンから離脱することなどを薦めている。

 現在、「ロズウェル 星の恋人たち」と「サンフランシスコの空の下」のリブート版が準備されており、いずれも移民のキャラクターが登場予定。また、「ジェーン・ザ・バージン」主演のジーナ・ロドリゲスが企画中の医療ドラマ「Have Mercy」は、不法移民の医師が主人公であるなど、移民を取り入れたドラマが数多く準備中であるだけに、クリエイターたちはこれまで以上に慎重に対応する必要がありそうだ。
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