格ゲーの神、ウメハラさんの考え
「とにかく勝つことが全て。魅せるためのプレイはしないし、要求されてもできない。強い技があれば率先して使い、無限コンボだろうと永パだろうと、入る状況なら狙う。負けた時に言い訳をしたくないから。
それをやっていれば勝っていたのにと思いたくない。
「寒い」「つまらない」「卑怯」「レバーが悪い」「調子が悪い」。これは自分の中でのタブー。
負けた時の言い訳にしかならないからだ。相手に暗黙の了解を押しつけて、
それにそぐわない相手に対して批判して安心感を得る為の言葉。
自分の価値観を押しつけるなら、最初から一人用のゲームでもやってる。
価値観は自分の中にだけあるもので、違う価値観同士をぶつけることにこそ対戦の醍醐味がある。
「ゲーム=ルールの中の遊び」なのに、それ以上の外部ルールを加える必要はない。
ゲーム上では何をやっても「ルール内」。ルールの中では自由なのだ。
負けて悔しければ勝つためになんでもやればいい。逆に自分がその手の言葉を言われると「してやったり」という感じである。
「たとえ試合に負けても、内容で勝てばいい」と言う人がいるが、オレには意味がよく解らない。
そういう試合が100試合続いたとして、その人はまだ同じ事を言っていられるのだろうか?
内容で勝ってても、100試合負けてると言う現実はどうでもいいのだろうか?
たまに勝てばいい、なんてムシのいいことを言う奴は、何を考えて生きているのか疑問に思う。
そもそも、内容で勝つってどういう勝ち方なんだろう?
自分は強くないとは言わない。今まで倒してきた人に対して失礼だから。
それに、「自分は弱いから」と思って対戦していても、そこに理論や哲学はあり得ない。
そこにあるのは負けた時の言い訳に事欠かない自分だけである。そんな考え方で勝っても、相手に失礼だ。」