「2試合を経て見える部分は広がったのか?」という質問に柴崎は…

グループリーグ突破を懸けて6月28日にポーランドと対戦する日本代表が、会場となるヴォルゴグラード・アレーナで同27日、前日練習を行なった。ここまでの2試合で司令塔として攻撃を牽引する柴崎岳が練習後、報道陣の取材に応じている。

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 柴崎はポーランドとの決戦に向けて「この2戦と変わらない気持ちで臨みたい。ある種、危険な雰囲気も感じているので、しっかりとこの2戦と同じような集中力と、同じような入り方、チームとしての雰囲気で、決して引き分け狙いではなく、勝利を目指してやっていく。そうした戦い方のなかで引き分けの可能性を高めることにもなると思うし、引きの姿勢で迎えるわけにはいかない」と話し、これまで同様、あくまで勝点3を目指していくことを強調した。

 そして、ここまで日本は1、2戦と格上を相手に数的優位と走力をベースに連動性を活かしたサッカーで好結果を残してきたわけだが、ポーランドの守備に対してどのように崩していくかと問われた柴崎は次のように答えた。
「考え方としては、その1、2戦の日本としての戦い方を継続することが大事になる。そこの連係だったりとかスピードって部分で(の対応に)物足りない部分を、ポーランド(の守備)は見せていると思うし。そこは日本の今まで継続してきた部分で十分崩せるとは思う」

 この2試合の柴崎は、攻守両面で質が高く、まさにハイパフォーマンスと呼べる働きを見せてきた。とりわけ、2戦目のセネガル戦で乾の同点ゴールを演出したように、状況を一変させるような相手の急所を突くパスは、日本の攻撃を形作るうえで、なくてはならないものだ。
 
 今大会のこうした好調ぶりを、当の本人はどのように受け止めているのか。「2試合を経て見える部分は広がったのか?」と質問を受けた柴崎はこう答えた。
「そういうある種、余裕みたいなものは全くなくて。ホントに必死に、試合の中で集中力を最大限保っている状態が、そういったパフォーマンスを自分自身で引き出せている要因のひとつだと思っているので。ここでやはり何か糸が切れたりすると、本当に危険な状態になると自分自身思っている」

「ここで緊張の糸を切らさないように」

なんと柴崎自身はパフォーマンスに関して、「全く余裕がない」とあまりにも正直な告白。それでも背番号7から繰り出される縦パスがスイッチとなって、日本のバリエーション豊かなアタックを生み出していることは確かだろう。コロンビア戦の後半を境に、ゴールにつながらないまでも、柴崎を起点に攻撃がテンポアップし、そのままフィニッシュまでつながるシーンはどんどん増えてきている。

 大会前は確固たるレギュラーが固定されていなかったボランチだったが、ワールドカップ直前のパラグアイ戦からの継続したハイパフォーマンスが、西野監督の信頼をがっちりと掴んでいる。
 
「ここで緊張の糸を切らさないように、ここ1、2試合以上のパフォーマンスを、3試合目、あるいはその先にあれば、続けて良くしていきたい」という柴崎のプレーから、今後も目が離せそうにない。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180628-00043067-sdigestw-socc&;p=2