2018年6月19日(火)
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川口市に対する憤りを語る(手前右から)元男子生徒の母親、森田智博弁護士、児玉勇二弁護士=19日午後、さいたま市

 川口市立中学校の元男子生徒(15)がサッカー部員のいじめや顧問教諭の体罰で不登校になった問題で、元生徒は19日、学校や市教委が適切な対応を取らなかったために不登校になったとして、市を相手取り550万円の損害賠償を求め、さいたま地裁に提訴した。

 訴状などによると、元生徒は部員から仲間外れや暴力などのいじめを受け、2年だった2016年5月に不登校になった。その後に登校を再開したものの、顧問から殴られる体罰を受けたり、学校が適切な支援体制や再発防止策を取らなかったため、いじめが継続。計4度、約11カ月にわたって不登校になり、精神的苦痛を受けたとされる。

 元生徒の母親は19日、さいたま市内で記者会見し、「学校は保護者会で『いじめはなかった』と虚偽の報告をした。学校も市教委も県教委や文科省に事実と異なる説明をしていた」と批判。「いじめより苦しんだのは、学校や市教委がうそをついたり、事実を伝えないこと。息子は大人を信用できなくなり、心が壊れてしまった」と訴えた。

 この問題で市教委の第三者委員会は、いじめが不登校の原因になったと認定する調査報告書をまとめている。

 市教委指導課の岩田直代課長は「現時点で訴状内容を見ていないためコメントは差し控える」としている。