熊本市中央区のスポーツカフェ&バー「イエロー」には仕事帰りの会社員らが続々と来場。開始時間の午後9時には、約100人が詰め掛けて満席になった。
同市北区の会社員津崎靖也さん(35)は「今大会の初戦はドイツやブラジルなど優勝国が勝ててない。日本もジャイアントキリング(大番狂わせ)を起こしてほしい」と期待を寄せた。
開始直後にコロンビア選手が反則して退場し、日本がペナルティーキックを獲得。キッカーが香川真司選手と分かると「カガワ! カガワ!」と大声援。危なげなく先制ゴールを決めると歓声がわき起こり、すし詰め状態の店内のボルテージは急上昇した。
同市中央区の会社員吉田岳史さん(42)は「香川選手はけがに苦しんでいたけど、よく決めた。さすが日本を背負う男だ」と喜んだ。前半終盤に同点に追い付かれた場面では「仕方ない」「ここからだ」とエールを送った。
日本は後半、11人対10人の数的優位を生かして、相手ゴール前でチャンスを次々に演出。後半28分、ついに大迫勇也選手がヘディングで勝ち越し点を決めると、「オーッ」と雄たけびが上がり、客同士がハイタッチ。店内の熱気はピークに達した。同区の会社員一野圭佑さん(23)は「最高で最強のゴール。大迫選手、半端ないっす」と大興奮。
コロンビアの猛攻を振りきり、終了のホイッスルが鳴ると来場者は狂喜乱舞し、クラッカーで祝福した。
試合後、客たちは店を飛び出し下通アーケードへ。ユニホーム姿のサポーターら約100人が集まり、喜びを爆発。「ニッポン」コールが梅雨の夜空に何度も響き渡った。
同区の会社員武田剛さん(30)は「日本代表の熱いハートが最大の勝因。熊本地震や大阪の地震の被災者に勇気をくれた。次も勝って決勝トーナメントに進出してほしい」とイレブンをたたえた。(前田晃志)
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