サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本代表は19日にコロンビアを相手に初戦を迎える。その中でキーマンとして活躍が期待されるのがW杯初選出のMF、大島僚太(25)だ。ドリブルやパスの判断力といった技術の高さは「(世界トップクラブの)バルセロナでもプレーできる」と恩師も太鼓判を押す。身長168センチの小さな司令塔の活躍が期待される。(福田涼太郎)

 「大島が持つテクニックを出せばイニエスタくらいうまい。試合を決めるプレーができる」。名門・静岡学園高時代に大島を指導した川口修さん(44)はこう話す。

 「1年のときは特に目立った印象はなかった」と川口さん。集合した際も最後列で小さくなっているのが常で「いつもおどおどしていた」という。

 1、2年時にトラップ、パス、ドリブルなど基礎技術を徹底的に磨き上げた。特にドリブルは「自分でコーンを並べ、いろいろなタッチを延々と練習」。3年時には中心選手としてチームを全日本ユース選手権ベスト4に導いた。

 ただ、プロ入り後の平成28年、大島に「唯一」苦言を呈した。観戦したリオデジャネイロ五輪直前のJリーグの試合で、大島が横や背後へのパスなど消極的なプレーに終始していた。「つまらない」。見かねて試合途中で席を立った。

 間もなく行われた五輪壮行会後、大島に「あんなプレーは高校生でもできる」と活を入れた。「そうですよね」と答えた大島は、五輪での日本の全7得点のうち3アシストと躍動した。

 活躍著しい大島だが、小学校時代の6年間を指導した中村吉孝さん(47)は「いつまでも私の中では僚太は小学生」と笑う。

 印象深いのは、最前線で点を決めた後、ディフェンダーではないのに、即座に最終ラインまで下がっていたことだ。ある日、母親づてに「点を取られたくないから」と理由を聞いた。自分が攻め上がった隙を突かれ失点することが多かったためで、中村さんは「すごい運動量。よほど負けず嫌いなのだろう」と話す。

 “大島効果”は地元には出ており、静岡学園の現部員数は史上最多の約230人。今春には97人が入り、体が小さい選手も多い。川口さんは「大島は背が小さいし足も遅い。それでも代表になれるということを示した。どんどん点に絡んでほしい」と期待を寄せた。

産経新聞6/19(火) 8:08配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180619-00000507-san-socc

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