6/17(日) 12:56配信
朝日新聞デジタル

 サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場しているイラン代表を応援するテヘラン中心部の巨大広告が、女性の姿が描かれておらず差別だと批判を受け、急きょ差し替えられた。イランでは警備上の理由として、女性がスタジアムで男子サッカーを観戦するのが禁じられているが、女性の権利拡大を目指す改革派から「広告内ですら女性は応援できないのか」との声が上がっていた。

 問題の広告は14日のW杯開幕の数日前から、中心部の広場に掲げられた。「我々は一緒にチャンピオンになる。一つの国家と心臓の鼓動で」との文言とともに、様々な民族の男性17人がスタジアムで優勝を喜ぶ姿が描かれていた。

 広告の掲示場所を管理するテヘラン市の市議は「イランの民族全てが団結するという意味だったが、残念なことに女性がいない。変更すべきだ」と強調。批判を受けたテヘラン市当局が新しい広告を発注し、差し替えを命じた模様だ。

 地元メディアによると、広告を作った企業は、イランの精鋭部隊・革命防衛隊に関連し、イスラム教に厳格な保守強硬派の影響下にあるというが、「誤解が生じており、新デザインにする」としていた。

 イラン代表とモロッコ代表の試合があった15日の午前には、女性も描かれた新しい広告に様変わり。試合はイランが1―0で勝った。(テヘラン=杉崎慎弥)

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