韓流新世代 若者ぞっこん、第3波の予感


韓国ドラマ「冬のソナタ」(2003年)に始まる第1次韓流ブーム、東方神起やKARAの第2次ブーム(10〜12年)に続いて、
新たに第3次ともいわれるブームが起きている。

日韓の歴史問題や国際政治に左右され、盛り上がっては消えていった韓流ブーム。
ところが、今の人気を支えるのは歴史や政治を気にしない10代、20代の若者たち。
新たな日韓友好の萌芽(ほうが)となるか。(砂上麻子)

「かわいい」「サランヘヨ(愛している)」−。

先月二十三日に東京・豊洲で行われた韓国の六人組女性グループ「GFRIEND(ジーフレンド)」の日本デビュー記念ライブ。
小雨が降る中、メンバーの名前を書いたうちわを持ったファン千五百人が歓声を上げた。
都内の高校三年生の女性(17)は「ダンスも上手。髪形やメイクもまねしたくなる」と魅力を語る。

GFRIENDは韓国で一五年にデビュー。韓国では、昨年末のNHK紅白歌合戦に出場した「TWICE(トゥワイス)」にも並ぶ人気だ。

「TWICEやBTS(防弾少年団)の成功でK−POPへの関心は高まっている」
と話すのは雑誌「K−POPぴあ」編集長の島川真希さん(47)。

BTSは一三年に韓国デビューした七人組の男性グループで、一四年に日本デビュー。
先月末には米ビルボード・アルバムチャートで一位を獲得するなど、世界的な人気となっている。

島川さんは「レベルの高いダンスや歌唱力、世界の音楽トレンドを押さえた楽曲などK−POPは洋楽の一ジャンルとして認識されている」と評価する。

先月三十日には十三人組の男性グループ「SEVENTEEN(セブンティーン)」、今月十三日には九人組の女性グループ
「MOMOLAND(モモランド)」が日本デビュー。K−POPグループの上陸は今後も続きそうだ。

そもそも日本における韓流ブームは一二年八月、当時の李明博大統領が日本海の竹島(韓国名・独島)に上陸し、
日韓関係が急速に冷却したことで終焉(しゅうえん)したとされる。

その後もソウルの日本大使館前に従軍慰安婦像が設置され、関係はさらに悪化。劇的な改善は見られないまま、今回のブームはなぜか。

韓国文化に詳しいライターの桑畑優香さん(49)は「韓国ドラマにはまった祖母や母親の影響で幼い時から韓国カルチャーを身近に感じている世代が、
日韓の歴史や政治を意識せず、K−POPは格好いいと聴いている」と解説する。

過去の韓流を支えていたのが主に三、四十代以上の中高年女性だったのに対し、
今回は小中学生を含む十代、二十代のファンが増えているのも特徴だ。

「今の若者はスマートフォンさえあれば手の中で韓国の情報を得ている」と語るのは、
WEBマガジンで日韓の若者文化を紹介する女子大生ライターもーちぃさん(19)。

K−POPだけでなくアイドルのファッションやメイクをまねする子も多いといい「かわいいなら国は関係ない」。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2018061702000184.html