W杯に初出場するアイスランド(1次リーグD組)は、人口約35万人ながら世界ランキング22位で、ユーロ2016(欧州選手権)では、サッカー母国イングランドを破り、ベスト8という好成績を残した。“おとぎ話”といわれたその躍進が今大会でも期待されるが、サイドストーリーもある。

 シグルドソン、ビャルナソン、フィンボガソン…これは今大会に出場するメンバーの名前だが、実に登録メンバー23人中22人の名前の末尾に「ソン」が付く。唯一の例外であるGKスクラムは、デンマークとのハーフだ。

 この“謎”について駐日アイスランド大使館に問い合わせると、「確かに『ソン』の付く名字の方は多いですが、割合はわかりません。また『ドッティル』という方もたくさんいます」と回答した。

 背景には、アイスランド独特の命名の習慣がある。アイスランド人の男性の多くは、父のファーストネームに息子を意味する「ソン」を付けて、ラストネームにする。前述したチームの司令塔は、ラストネームがシグルドソン、父のファーストネームが「シグルド」というわけ。これによって、登録メンバーのほとんどが末尾に「ソン」が付くのだ。

 ちなみに女性の場合は、娘を意味する「ドッティル」を付けるそうで、大使館が「ドッティルという方も多い」と回答していたのにも納得がいく。2018年3月に行われたサッカー女子のアルガルベ杯のメンバーは、確かに「ドッティル」だらけだった。

 サイドストーリーを持つのは選手だけではない。ハルグリムソン監督はユーロ2016で大躍進に導いたが、当時の肩書はスウェーデン人の名将ラーゲルベック監督との「共同監督」で、しかも歯科医として働きながらの監督業だった。ラーゲルベック監督の下で帝王学を学びながらの躍進だった。今大会では「監督」に“昇格”した。

 そんなハルグリムソン監督、海外メディアによると9日、ロシアに向かう空港で20年分のデータが入ったPCを紛失し、チームの出発が30分遅れる事態に。「選手たちが私を笑える状態だったのは良かった」と深刻ではなかった様子だったが、さぞヒヤリとしたことだろう。最終的には見つかったそうだ。

 アイスランド政府関連のユーチューブチャンネルでは、ヨハンネソン大統領がアイスランド代表のジャージーを着て、ボールを蹴りながら国を挙げての応援を呼びかけている。

2018年6月14日 17時5分
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/14864091/