2018-06-13
 デビューから30年以上に渡りテレビに出演し続けるタレント・勝俣州和。芸能界における彼のポジションはかなり特異だ。冠番組を持つわけでもなく、
視聴者が勝俣だけを求めてチャンネルを合わせることも、おそらくないだろう。テレビ番組の企画では“勝俣のファン0人説”も囁かれる一方、
どんな大御所によるMC番組でも、ふと気がつけば勝俣がいる。そして視聴者もそれが当たり前だと感じている。そんな勝俣州和の唯一無二の“存在感”はバラエティ界最強のバイプレイヤーという言葉が相応しい。


SMAP的アプローチの元祖ともいうべき人気アイドルを経て、現在の特異なポジションへ

 勝俣はもともと劇男一世風靡(一世風靡セピアの母体)のメンバーであり、その後、萩本欽一司会の『欽きらリン530!!』(日本テレビ系)のオーディションを経て、
1988年にCHA‐CHAを結成、欽ちゃんファミリーの一員として「歌って踊れてお笑いもできるアイドルグループ」という形で売り出された。

 CHA‐CHAの前身の茶々隊は、さまざまな芸能事務所のいわば“寄せ集め”であり、実は木村拓哉や草なぎ剛も在籍し、オーディションはSMAP全員が受けていたという衝撃の事実もある
(木村、草なぎはCHA‐CHAになる前に脱退)。勝俣本人も“当時はSMAP並みに人気があった”と自称しており、実際、「確かにそのころは、女子たちにかなりキャーキャー言われていたなあ…」という記憶がある方も多いのではないか?
CHA‐CHAはメンバーの西尾拓美(トロリンこと元アイドル・西村知美の夫)などがバリバリのアイドル路線をいく一方で、勝俣と松原桃太郎というメンバーがお笑いを担当するという“分業制”をとっていた。
こうした“アイドル+しゃべり(笑い)”というスタイルは、後のSMAPなどに引き継がれるわけで、“しゃべれるアイドル”のルーツでもあり、今のアイドルの活動の礎を築いた元祖的グループと言っていいかもしれない。

 お笑い担当だった勝俣もアイドル的な人気があり、1989年には柴門ふみ氏のマンガを原作としたトレンディドラマ『同・級・生』(フジテレビ系)に俳優として出演。
当時、フジテレビのアナウンサーだった中井美穂とカップルになるという、重要な役を演じていたりもする。CHA‐CHA解散後の1992年には、
堀部圭亮とともにお笑いユニット『K2』を結成して活動の場を広げると、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)や『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(日本テレビ系)などにレギュラー出演するようになり、現在に至るわけだ。


大物芸能人との共演も縦横無尽 誰とでもからめる“かっちゃん”の汎用性

 しかし、勝俣の代表作は何か?と言われて、すぐに答えられる人はいないだろう。でも、テレビを観るといつもそこにいるのである。しかも特筆すべきは、どんな大物MCや大物お笑いタレントの番組にも出演していることである。
欽ちゃんファミリーの出身ながら、『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』(フジテレビ系)に出演すれば、時を同じく『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』(日本テレビ系)にも出演、『ダウンタウンDX』(同)でも欠かせない準レギュラーとしての地位を築いている。
さらには、『アッコにおまかせ!』(TBS系)、『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)、『中居正広のブラックバラエティ』(同)などにも出演。タモリ、ウッチャンナンチャン、とんねるず、和田アキ子、
みのもんた、中居正広にダウンタウンといった、そうそうたる大物MCたちと絡んできており、冠番組によってどこか“派閥”がありそうな芸能界を縦横無尽に行き来しているという、非常に“稀有”な存在と言えるだろう。

 実際、本人も2017年10月放送の『良かれと思って!』(フジテレビ系)では、バラエティ番組の“派閥”について持論を展開。勝俣は20年前、ウッチャンナンチャンの番組に出演していた際、
とんねるずの番組のレギュラーが決まるとスタッフから、「どっちを選ぶんだ?」と迫られたという。当時は“スタッフがそういう風に気を利かせる時代だった”と回顧。悩んだ末に勝俣は、
「だったら、もうそっち(スタッフ)で決めてくれと。僕がいらなかったら外していいですって。レギュラーも、ゲストにも呼ばないでくださいって」と告げた。
そして、「それを続けて、そうしたらいろんなところが呼んでくれて…。だから、僕だけOKみたいな時代だったんですよ」と語り、バラエティ番組で幅広い活躍を続けている理由を自ら分析して見せたのだ。

     ===== 後略 =====
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