国際親善試合(12日、日本4−2パラグアイ、オーストリア・インスブルック)派手なアクションはなかった。試合後は軽く手をたたいただけ。待望の初勝利にも、ダンディーな西野監督は表情を崩さなかった。

「この試合で焦点を当てたのは攻撃。いい修正ができたと思う」

0−2で完敗した8日のスイス戦から先発10人を入れ替えた。後半から第3GKの中村を投入し、遠征前の予告通り、2試合で23人全員を起用した。ハーフタイムにはMF香川に「10メートル前に出ろ」と具体的に指示。相手ゴールに圧力をかけ、1得点&2アシストの活躍を呼び込んだ。

4月の就任から2カ月余りで、本番までに与えられた実戦は3試合のみ。それでも2年間のブランクを経て現場に復帰したJ1最多270勝の指揮官は、「自転車に乗れたら一生乗れる。リフティングも10回できたら100回できる。感覚は思い出せる」と、焦りはなかった。

初采配だったガーナ戦は新布陣の3バックを試し、スイス戦は4−5−1でMF本田を4年ぶりにトップ下に置いた。この日は後半途中にFW大迫とFW岡崎の2トップをテスト。焦ってメンバーやシステムを固定し、戦術の徹底を促す手法を選択せず、W杯に向けて可能性を探った。

スタンドにはW杯初戦で対戦するコロンビアの偵察隊の姿も。「メンバーも布陣も替わり、日本のことを捉えづらいと思っているのでは」とニヤリ。よもやの2戦連続完封負けを喫したが。最後の強化試合で結果を出した。「これから選手の競争が楽しみ。ポジティブにロシアに行ける」。目指すは1996年アトランタ五輪でブラジルを倒した“マイアミの奇跡”の再現。自信を胸にロシアに乗り込む。

ソース/サンスポ
http://www.sanspo.com/soccer/news/20180613/jpn18061305030011-n1.html