「ベティコを納得させるに十分なものだった」

出だしは決して良くはなかった。6月12日(現地)、パラグアイ代表との強化試合に臨んだ日本代表だ。

 素早いパスワークで安定したポゼッションを維持した日本は、パラグアイを支配率で圧倒しながらチャンスを決め切れずにいると、31分に相手のロングスローのこぼれ球をオスカル・ロメロに左足ボレーで叩き込まれて先制を許した。

 西野ジャパン発足以降、3戦連続となる先制点を許す展開に暗雲が立ち込めたが、後半開始早々に“元セレッソ・コンビ”がそれを吹き飛ばす。

 51分、昌子源の楔のパスを相手ゴール前で香川真司がダイレクトで落とすと、これを受けた乾貴士がドリブルで中央に侵入し右足で豪快にミドルを沈めた。

 これで勢いに乗った乾は62分に再び輝く。右サイドでボールを受けた武藤嘉紀の横パスを香川がわずかに触って後方へ流す。そこに待ち構えていた背番号14は、ダイレクトのミドルシュートでネットを揺らした。
 

 その後、76分に相手のオウンゴールで点差を広げた日本は、90分にリカルド・オルティスに1点を返されたが、直後の後半アディショナルタイム1分に香川がダメ押し点をゲット。結局4-2で西野体制発足後、初勝利を収めた。

 西野ジャパンに待望の勝利をもたらした乾と香川をスペイン紙『Marca』も手放しで褒めちぎった。「アキラ・ニシノがハーフタイムのドレッシングルームで何を語ったかは分からないが、日本は後半明らかに変わった」と記し、指揮官の期待に応えたデュオについて次のように綴った。

「カガワとイヌイの連携は日本にとって実りあるものとなった。そして逆転の流れもこの2人から生まれた。カガワのお膳立てによってイヌイは2つの完璧なショットを決めてみせたのだ。ベティスの新人のプレーはベティコ(ベティスの熱烈なファン)を納得させるに十分なものだった」

 スペイン・メディアも賛辞を贈ったコンビの活躍によって、本大会前最後となる強化試合に勝利した西野ジャパン。6月19日のコロンビア戦に向け、大いに弾みをつけた。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180613-00041990-sdigestw-socc

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