「ぼくたちの失敗」はあの時代を象徴する音楽だったと思う。

当時の学生運動をやってた頃の雰囲気を感じさせる、
若者の熱意と同時に切なさがこみ上げるような・・・。

当時の日本は、高度経済成長に向かい、テレビが世間に普及されて
歌謡曲やアイドルが眩しい世界を表現してくれたけれど。

一方で、表に見える華やかさとは違う、例えば線路沿いの殺風景な景色・・。
夢を追うために上京した若者が通う喫茶店など、当時の日本のリアルな日陰の部分を
甘ったるい可憐な声で歌に乗せて感じさせてくれた。

その時代を真の意味で表現するという作家は大井健三郎なんかがそうだけど、
シンガーとしてはこの人は唯一無二の存在と言える。