「俺たちはヘタクソなのだから、泥臭くやらないといけない」
 ここから先は長谷部の独壇場だった。
「考えてみろよ。俺らの中で一番うまいのはケイスケだ。でもケイスケでも、世界中を見渡してみれば、それほどでもないんじゃないか? これからワールドカップで戦う相手と比べれば、それほどでもないんじゃないか?
 コロンビアにはファルカオがいる。セネガルにはマネがいる。あいつらは一発で試合を決める力の持ち主だ。俊輔さんがあいつらと同じレベルで試合を決められるだろうか? そうじゃないだろう? みんなでやらなきゃだめなんだ。