流れがよくない。チームは負の連鎖に入ってしまっているようだ。日本代表は8日のスイス戦で、5月30日のガーナ戦と同様に前半の時間帯にPKを与えて先に失点した。1対1の状況に追い込まれての仕方のないファウルならまだしも、このケースは最初にディフェンスの2人が挟みこみ、後ろにもフォローがいるという状況下。そこをドリブルで突破され最後は吉田が倒してしまったが、やってはならないミスだった。これでゲームプランが崩れ、リズムをつかめないまま後半に今度は、カウンターからサイドを崩されて追加点を許した。
 GKの川島も安定感に欠けている。前半36分には、川島が飛び出してゴールを空けてしまっている。幸いゴールポストに救われて、失点にはつながらなかったが、ディフェンスをヒヤヒヤさせるのではなく、川島は、守備の司令塔としてチームに安心感を与えなければならない。
 そして、またノーゴールでの完敗となった。

 スイスは4大会連続のW杯出場を決めている強豪である。そう簡単に崩せるチームではないが、アタッキングサードから、その先に進めない。最後の崩しの部分に課題が残ったままだ。
 個で打破するのか、連携で崩すのか。日本の現状からは、その選択肢は連携しかないのだろうが、パスにズレがあり雑なのだ。例えば、縦に出したパスに対して、瞬時に2、3人目が動き出しておらず、そこに連動がない。アイデアにも欠けた。後半25分に投入された柴崎は、その中において、アイデアのあるパスを試みていたが、それも雑だから効果を生まない。

 トップ下に起用された本田に西野監督は「予想以上の動き」と合格点を与えたが、私には、そうは見えなかった。タメを作れるキープ力が、本田の持ち味だが、そのタメを作ってから次の動きが遅いのだ。どうしてもワンテンポ遅れる。その間にスイスはディフェンスを整えてしまっていた。決定力不足の理由のひとつには、攻撃のスピード不足があり、本田のブレーキは無縁ではない。

 むしろ後半31分からトップ下で起用された香川の方が面白い存在に思えた。彼自身のコンディションが戻りつつあり、ボールを触り始めてから、細かいテクニックでスイスを翻弄、チームに攻撃のリズムが出始めていた。長谷部とボランチを組んだ大島のプレーも物足りなかった。本人も試合後、コメントしていたが、もっと前でプレーしていい。Jリーグでの彼の持ち味をまだ存分に表現できていない。

つづく

THE PAGES 6/10(日) 6:00配信
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