https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180612-00000011-alba-golf
プロアマが持つ意味、ツアーの方向性を考える

男女を問わず、日本のツアーの現状を見る限り、プロアマはトーナメントを支
える生命線となっているといっても過言ではない。なぜなら、ギャラリー収
入に頼る興行としてではなく、スポンサー頼りで行われている試合がほとん
どだからだ。ツアー内部の人間も含めて「プロアマが一番大事」と口にする
者が多いのもそのためだ。男子よりも女子ツアーでよりその傾向が強い。
ツアーのスポンサーをしてプロアマを行い、そこで接待をすることと、試
合そのもの重要性がさして変わらないという意識のスポンサーもいるほどだ。

それほど重要視されているプロアマで、プロはホステス(ホスト)として客
をもてなすのが仕事。客であるアマチュアは、主催者のみならず、大会にお
金を出しているスポンサーの場合もあれば、スポンサーのお客さんのことも
ある。後者の場合は、スポンサーの接待役をプロが請け負っているといい換
えてもいい。もてなしの内容には、自分の技術を見せること、アマチュアに
レッスンをすること、トッププロとのプレーそのものを楽しんでもらうこと
などが含まれる。接待だからプロ側が望む内容ではなく、お客さん側のニーズ
にある程度応えなくてはならない。

ただ、プロアマは試合の前日に開催コースで行われる場合がほとんどであって、
試合に備えてショートゲームの練習などをしたいというプロの気持ちもわから
なくはない。だが、それはあくまで“仕事”の合間に、お客さんが好意で許し
てくれていることだという自覚が必要だ。事前に相手にその旨を伝え、練習を
見てもらい、それについて解説するなどのコミュニケーションがあれば、トラ
ブルには至らない。万一、相手がそれを嫌がるなら“仕事”を優先させるしか
ない。

また、ツアーが管轄しない試合とは別のプロアマが主たる収入源であるプ
ロも女子の方がはるかに多く、そこで悪評を高めてしまっているプロもいる。
「態度が悪い」「アマチュアの相手をせず、スマホばかり見ている」
「“おつき”のマネージャーやメーカー担当者とばかり話し、アマチュア
とコミュニケーションをとらない」など。スポンサー側からもういらない、
といわれてしまう者もいるのだ。ツアーそのものとは関係なくとも、女子プ
ロ全体の評価につながりかねない由々しき事態が起き始めて久しい。

企業スポンサーへの依存は、相手の状況が変われば簡単に放り出さ
れる。試合がなくなることにつながりやすい。

スポンサー依存度の高い現状でするべきことは、プロアマの重要性を徹底的に
選手に教え込むこと。プロアマでの失態は、スポンサーを手放すことにもなり
かねず、ツアーへの大きな損害行為につながるからだ。「賞金で稼ぐからプロ
アマなんてどうでもいい」と思っているとしたらそれは大きな間違いだ。賞金
を稼ぐ場である試合そのものがなくなってしまうかもしれないということを選
手たちにたたき込む。それが甘いのではないか。

男子に比べて若い選手が多い女子ツアーでは、試合がないという状態がイ
メージできない選手も多い。試合がないというのはどういうことかをまず
理解させ、自分の仕事は何かを植え付けること。これが大切だ。