スポンサーへの「忖度ジャパン」か サッカーW杯盛り上がらず

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会開幕が14日に迫る中、国内の盛り上がりが低調だ。日本代表は6大会連続6度目の出場となるが、過去の大会直前と比べてファンもメディアも熱気はいまひとつ。突然の監督解任劇や、0−2で完敗した9日のスイス戦を含む3連敗などが影響しているようで、ファンからは「W杯でも期待できない」と冷めた声も漏れる。(那谷享平、真鍋 愛)

 サッカーW杯は世界最大級のスポーツイベント。国際サッカー連盟(FIFA)によると、2014年の前回ブラジル大会は世界で32億人が視聴した。日本が初出場を果たした1998年以降、国内でも試合の中継は50%前後という高視聴率を連発してきた。

 大会前は日本代表選手の一挙一動などがメディアで取り上げられ、期待感の高まりを生んだが、今回は明らかに様子が異なる。開幕2カ月前の突然の監督交代はファンらの批判を招き、5月下旬以降は日本大アメリカンフットボール部の悪質反則問題の陰にすっかり隠れた。新監督の下でも敗戦が続き、明るい話題が見当たらないのが実情だ。

 「サッカー好きの常連客の間で(大物選手やスポンサーへの)『忖度ジャパン』という言葉がはやり」。神戸市中央区でスポーツバー「アンカー」を営む竹崎大制さん(36)はそう明かす。監督交代とその後の代表選手選考に不透明感が拭えないといい、「1勝もできなかった前回大会と似たメンバー構成になってしまった」とため息をつく。

 02年の日韓共催大会から友人らと代表戦のテレビ観戦をしている自営業女性(34)=同市中央区=は「言われてみればW杯前だった」とした上で「話題にも上っていません」。

 一方、代表選手のユニホームなどを販売するスポーツ用品店は、ロシアでの戦いぶりに期待を寄せる。

 神戸・ハーバーランドの「スーパースポーツゼビオ」の長谷川千紗マネジャー(35)は「子どもたちや普段あまりサッカーを見ない人は、やはりスターに注目する」とベテラン中心のチーム作りを前向きにとらえる。香川真司選手=同市垂水区出身=や本田圭佑選手らのグッズが人気といい、「今後の売れ行きは代表の活躍次第。初戦に勝てば、きっと盛り上がるはず」と躍進を願う。

 日本代表のW杯初戦(コロンビア戦)は19日。
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