サッカー日本代表が初めてワールドカップ(W杯)に出て世界に真剣勝負を挑むようになって20年。日本代表は来月、ロシアで開幕するW杯に6大会連続で乗り込む。大一番にどんな戦術、布陣で臨むのか。対戦国への対策は。東京・有楽町朝日ホールで24日に開かれたシンポジウム「20年目のサムライたちへ」(朝日新聞社主催)で、代表OBたちが語り尽くした。

■代表OBが選ぶ「推しイレブン」 パネルディスカッション

 司会・中西哲生 30日は国内最後のテストマッチ、ガーナ戦。W杯へ向けてのベストメンバーはこれだ、という「推しイレブン」を選んでいただいた。

 秋田豊 まず、本田は真ん中(トップ下)ですね。厳しいプレッシャーのかかる狭いエリアでも、後ろから来たボールを前に配給して前向きな状況を作れる。ミドルシュートが蹴れる。クロスからのヘディングも強い。ハリルホジッチ前監督の時に一番ヘディングで点を取っているのが本田。右サイドにいたときは彼の良さが消えていた。

 中西 登録メンバーで1人しかいない左利きの本田を真ん中に置くのはいかがですかね。

 城彰二 本田は縦へのスピードがそれほどない選手で、右サイドのときは内側にカットしていくシーンも少なかった。彼の特徴は素晴らしいフィジカル、ボールキープ力。本田が起点となって、そこからサイドをうまく使っていけると思うので、ぼくも本田はトップ下で機能すると思いますね。

 中西 福西さんはFWが2トップ。

 福西崇史 必ず守備はしなくてはいけないなかで、2人だったら時間は作れる。ボールを取った後、前に蹴ったとしても、今までは大迫1人で頑張って、背中で相手DFをおさえて、背負えるようになりましたよね。

 だけど、1人では難しい。時間は作れるけど、キープまでは。2人だったらなんとか、相手DFが3人までだったら、時間はできる。だから、大迫と、ゴール前に入っていけるような岡崎みたいな選手がいれば。

 中西 城さんはスペインでもプレーしましたが、世界のトップ相手にFWは難しい部分が多いですよね。

 城 1トップより2トップのほうが安心感があるんですけど、西野さんは、実はアトランタ五輪の時も1トップだった。

 中西 構想ではオグ(小倉隆史)と城さんの2トップだったんですね。

 城 でも小倉さんがけがをしてしまって。苦肉の策でぼくを1トップに置いた。トップ下に前園(真聖)さんと中田(英寿)。だから西野さんも2トップは考えていると思います。

 中西 城さんは監督目線の布陣。

 城 東口と宇佐美ですね。西野さんがガンバの元監督ということもあり、監督って、あんまり能力が変わらなければ、好きな選手を使うんですね。

 秋田 間違いないね。

 福西 あと、プレーの仕方を知ってるとか、でね。

 城 監督の意図で早く動いて、それをチームに伝えることができる利点もあると思うので、その2人を入れてみたんです。それからセンターバック。ぼくはイメージ的には槙野なんですよ。槙野は乗ればすごい。乗らなければアウト。

 秋田 リスクあるなあ。

 城 W杯の一発勝負でなぜ槙野かというと、守りの時間が長いなかで、点を取りに行くんだったらセットプレー。槙野はセットプレーで点が取れるイメージがあります。

 中西 センターバックといえば秋田さん。昌子、植田も鹿島の後輩ですけど。

 秋田 相手との1対1の対応は昌子が素晴らしいし、クロスからの守備という面では吉田が一番。他の選手は同じくらいのレベルかなと思いますね。高さという面でチャレンジするなら、植田ですね。ボランチに大島。彼は一番日本でミスの少ない中盤の選手。それぐらいの選手ってなかなかいない。そういう意味では彼が中心になっていい。(敬称略)

朝日新聞 5/31(木) 9:28配信
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