映画「万引き家族」(6月8日公開)で「第71回カンヌ国際映画祭」の最高賞・パルムドールを受賞した是枝裕和監督(55)が23日、東京・羽田空港着の航空機で帰国し、凱旋会見を行った。トロフィーを持って登場した巨匠は「一晩くらいは抱いて寝ようかと」とニンマリ。
受賞の反響は大きく、149カ国・地域での配給も決定。帰国前に米ニューヨークで打ち合わせしたという次回作について「近々、正式に製作発表があります」と明言した。

 羽田空港に到着した“世界のコレエダ”が、カメラマンが放つ無数のフラッシュを一身に浴びた。

 午後10時半からの会見にもかかわらず、テレビカメラ15台、報道陣80人が集結。注目度の高さに是枝監督は「これだけの報道陣の方が集まっている…大きな賞なんだなと」と日本映画が21年ぶりに獲得した快挙の重みを実感した。

 凱旋会見にはパルムドールのトロフィーを大事に持って登場し、「一晩くらいは抱いて寝ようかな」と誇らしげ。祝福の連絡がひっきりなしに届き、「LINEやメールが山のようにたまっている。『ありがとう』の返信もできていない」とうれしい悲鳴をあげた。

 是枝監督は仏カンヌでの授賞式から一夜明けた20日、仕事のため米ニューヨークへ。現地で2泊し、この日午後9時半頃、羽田空港に到着。「ようやく戻って来られました」と長時間のフライトに少し疲れた様子も見せていた。

 授賞式直後の会見では次回作について「海外の役者と作りたい」と構想を明かし、渡米前にはツイッターで「大好きな役者さんと打ち合わせ」とつづっていた巨匠。
その内容についてこの日の会見で詳細は語らなかったが、「近々、正式に製作発表が行われると思います」と説明。ただ、「打ち合わせはとてもうまくいった。(役者に)『断れない』と言われた。パルムドールを獲ってよかった」と笑顔を見せた。

 パルムドール効果は絶大で、「万引き家族」の海外配給は、125カ国・地域で公開された大ヒットアニメ映画「君の名は。」を超え、149の国と地域で決定。日本での上映館数も当初の200から300以上に増加し、6月8日の公開を前に、同2、3日に先行上映が決定した。是枝フィーバーはまだまだ過熱しそうだ。

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