やるべきことをやりきって見事に死んだ栗城史多
つくづくこの男と同時代を生きて本当に良かった
はげしい感慨と喪失感を彼の死によって味わった
どこにもいない型破りな男を失って本当に寂しい
うつろな生を送る平凡な連中と彼はどこか違った
見れば分かるが生前のこの男にはオーラがあった
てれくさそうな彼の笑顔になぜか親しみを感じた
もう少し生きていれば多くの偉業を残したはずだ
たとえるならば無名の戦士のような男ではあった
だが世間一般の連中は彼を山師呼ばわりし嘲った
単純な尺度で測れぬ人間に凡人はいつも無理解だ
なくしてみてその偉大さに気付くのが真の大物だ
るり色の星の大自然に挑む登山家は大したものだ
愚直なその生き様はどこか憎めないものだと思う
かがやかしいその人生を後世に渡って語り継ごう
もはや偉人と呼ぶべき奇跡の存在となったからだ
のびのびとあの世で登山をしてくれ、栗城史多よ