日大アメフト部の監督に逆らえば、「路頭に迷う」は本当か

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1805/18/news073.html

ただ、いずれにしてもこの問題はとにかく根が深い。
まずこうした蛮行が生じた背景として、日大アメフト部で絶大な権力を握っている内田監督には部員の誰もが絶対服従を強いられているという構図が挙げられる。
同部の内部事情に詳しい関係者によれば「内田監督から指示を出され『NO』と言えば、その人物は部内での居場所がなくなるどころか、自分の将来にも悪影響が及ぶことになる」という。一体どういうことなのか。

「内田監督からの指示や指導法に背けば『お前は、もう二度と試合では使わない』と言われ、冷遇される。
それだけなら、まだいい。実はその後、さらに深刻な事態に直面する可能性が高まる。

“内田ルート”によって大学を卒業してからの就職口も凍結されてしまうから、路頭に迷うことになってしまうのだ。
だから選手たちは部で生き残るため、おかしいと思っても監督の指示には逆らえず言う通りにしなければいけなくなる。そういう構図は昔から日大アメフト部にはあった」

日大アメフト部でレギュラーの座をつかみ、主力選手になれば将来も安泰。
卒業後、内田監督の持つコネクションから社会人アメフトの強豪チームに入部した選手たちはこれまでも数多くいる。
そして、たとえ主力選手になれなくても内田監督のお眼鏡にかなえば一流企業への就職口も紹介してもらえることが可能というのだ。

日大アメフト部のOBからは「もし内田監督から嫌われたり、自主退部したりしたら『○○は使い物にならないよ』と各一流企業の人事担当者に通達されてブラックリスト入りしてしまう危険性もある。
だから部員は是が非でも監督にだけは逆らえない環境が整う」と指摘する声まで聞こえてくるから、開いた口が塞(ふさ)がらない。

しかも内田監督は日大内部でも常務理事の人事を担当するなど重責を担っている。
また日大保健体育事務局の「長」としてアメフトだけでなく日大の体育会全体を取りまとめる立場にもあり、大学内部では以前から「とにかく、あらゆるところに顔が利いて不祥事のモミ消しなど危ない根回しも容易にできるポジションにいる。
それぐらい権力が集まっていたから本人も『自分こそが絶対に正しい』と勘違いするようになっていたところがあった」と内田監督に批判的な声が数多く出ていたのも事実だ。