ヴィレッジ・ピープル(以下VP)というアメリカのユニットがいて、
彼らはゲイピープルをモチーフにした曲を次々と歌いヒットさせた
メンバーの中に実際ゲイが何人かいたが、だからと言う訳でもなく
ゲイの間で人気の職業や場所をテーマにした曲を、たくさん作った

VPの最初のヒット曲は「マッチョマン」、これは言わずもがなだろう
「イン・ザ・ネイヴィー」は海軍をモチーフにしているが、その実は
「男たちの巣窟に君も入隊しないか?」というゲイ丸出しの色物ソング
「ゴー・ウエスト」も、歌詞では「西へ向かおう」としか歌っていないが
これはアメリカ西部にある大きなゲイタウン、サンフランシスコを歌った曲だ
そして「Y.M.C.A.」は、言ってみれば青少年福祉センターのようなもの
本来はキリスト教が関係する敬虔な団体であり施設なんだけど、実際は
スポーツジムやドミトリー施設があり、キリスト教に関係なく若者が集ってた場所
ゲイにとっては、今でいうハッテン場として賑わっていた場所だ
VPには他にも「ホット・コップ」(警察官)「ファイヤーマン」(消防士)など、
ゲイに人気の高い「制服系の職業」を称賛する曲が、とにかく多い
詞の内容はどれもそんな感じだが、サウンドは70年代後半のディスコの王道で
どの曲も大変よく売れた、その中の「Y.M.C.A.」に渡米中の秀樹が目を付けた

どちらかと言うと完全に色物として売れていた曲だ、周囲は反対したが
秀樹と当時のマネージャーは「これは行ける」と確信し、秀樹によく似合う青春ソング的な
日本語詞を、作詞経験のないマネージャーが直接書いて録音に漕ぎ着けた
あまがいりゅうじという名前がその人だ、これが「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」の誕生秘話
実際はYMCAのCはクリスチャンなのだが、日本語詞のYMCAは、あまがい氏が
Young Man Can do Anythingという風に変えて、そのような詞をつけている
YMCAの手文字は秀樹サイドが考案したが、後に本家のVPが秀樹本人から
それを伝授され、彼らも手文字をつけて歌うようになっている

これが大ヒットし、次作の「ホップ・ステップ・ジャンプ」もマネージャーが詞を
書いたが、その際に「天下井隆二」から「山崎光」というペンネームに変更している