■プロ野球独立リーグ「BCL」、深夜の過酷バス遠征1000キロに密着〜 ろくに寝られず
 福井新聞ONLINE 5月4日(日)8時8分配信
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140504-00010001-fukui-l18

地元でのナイター終了後、シャワーも浴びず、深夜のバスに揺られ遠征先へ。
翌日は群馬県でデーゲームを連戦。プロ野球BCリーグ「福井ミラクル
エレファンツ」の選手たちは、過密スケジュールでシーズンを戦っていた。
本紙運動部記者が、往復12時間、総移動距離1000キロに及ぶバス遠征に同行した。

4月18日夜、福井は3時間36分の激闘の末、福井フェニックススタジアムでの富山
サンダーバーズ戦に逆転サヨナラ勝ちした。時計の針は午後10時をすぎている。
観客が歓喜に浸る中、選手たちは急いで道具を片付け、球場を後にすると、
1時間もたたない間に遠征のバスは走り出した。新潟県内のホテルで宿泊し、
翌日午前中には群馬県の練習場にいなければならない。
「試合が終わってクールダウンもしていない。シャワーも浴びていない選手も
いるんです」。サヨナラのホームに滑り込んだ新入団の外野手、森亮太はつぶやいた。
  ×  ×  ×
専用大型バスに、記者は「立派だし、こんなバスに乗れるなんて」とわくわく。
だが現実は甘くはなかった。先輩選手が1人2席分に座る一方で、新入団選手は
2人並んで座る。「決まりはないですけど…。暗黙の了解です」とある新人選手。
高校球児だった記者も、この上下関係には納得。記者も1席使わせてもらい、
ナイターの記事を迫る締め切り時間と“格闘”しながら車内から送信した。

福井からホテルまでは4時間半の道のり。新人でチーム最年少、20歳の投手、
藤岡雅俊は「横になりたいですよ。イスは固いしあちこち痛いですし」。
それでも車内は、劇的勝利の後とあって、興奮気味。午前0時すぎにはほとんどが
眠りについたが、サヨナラ打を放ったベネズエラ人の主砲・ジョニーだけは終始陽気。
疲れた選手たちからは煙たがられたけど…。
  ×  ×  ×
午前3時過ぎ。記者もうとうとしたころホテルに着いた。しかし出発は5時間後。
仮眠しかできない。藤岡は「こんなにハードだなんて」と、先輩選手たちの荷物を出し、
重い足取りで最後に部屋に入った。

午前7時半。ほとんど眠れず記者は朝食に向かった。と、「おはようございますっ!」。
新入団選手が、眠気が覚めるほどの大声で迎えてくれた。選手の茶わんは
あふれんばかりの特盛りご飯と、大皿に山盛りのおかず。
朝からすごいな、と見とれていると、野菜もたっぷり。
「NPB選手はサプリメントで管理できるが、BCリーグの給料では難しい。普段の生活で
いかに自分で工夫できるかだよね」とのコーチの荘勝雄の言葉を思い出した。

朝食を終え、午前9時前にホテルを出発。睡眠不足の記者は、もう既にふらふら。
こんなに疲れたのに、選手は本当にこれから群馬で全力で戦えるの? 
そんな不安を抱きながら、記者も群馬に向かうバスに飛び乗った。(敬称略)