■西野Jはコンディション・組織力重視

サッカーのW杯ロシア大会は14日、開幕まで1カ月となった。日本代表は先月就任した西野朗監督の下で再出発したばかり。
31日に予定される23人の最終メンバー発表ではバヒド・ハリルホジッチ前監督体制下で厳しい立場にあった本田圭佑(パチューカ)、香川真司(ドルトムント)ら、
長く代表の中心を担ってきた選手に注目が集まる。現状では本田がメンバー入りに大きく近づく一方、体調に不安を抱える香川は微妙な情勢。
チームの起爆剤として2020年東京五輪世代が選出される可能性もある。

西野監督が掲げる選手選考のポイントは、直近のコンディションと、日本がこれまで積み上げてきた組織力を生かせる能力だ。

ここで本田の存在が急浮上した。メキシコ1部リーグでは29試合10得点と活躍した。2010、14年のW杯2大会で日本の全7戦にフル出場した。周囲の選手との連係にも問題はない。
西野監督は、前監督が掲げたボール保持を重視せず縦方向に速い戦術とは一線を画す考えを示している。前監督の方針と相性が悪く、W杯メンバー入りも厳しかった本田には追い風だ。
 
西野監督は当初から本田招集の意向を持っていた。先月12日の就任会見で「メキシコは4月で(今季が)終わってしまう」と、本田の試合勘を心配していた。本田は3日に帰国して国内で調整を進めており大きな障害はないとみられる。
左足首痛を抱える香川は不安が残る。香川とドイツで会い8日に帰国した西野監督は「厳しい状況は彼も感じていると思う」と話した。12日の今季最終戦、ホッフェンハイム戦で後半30分から約3カ月ぶりに実戦復帰したが万全ではない。

指揮官が期待しているのは間違いない。8日に負傷者の状態を問われると「一番心配な2人」と、香川と同じく左足首痛の岡崎慎司(レスター)の名前を挙げた。
代表常連組で左膝を負傷していた酒井宏樹(マルセイユ)より先に話したほど重要な位置づけで、「(W杯でプレーできるか)逆算したい」と復調をギリギリまで見定める。
2020年東京五輪で中核を担うU−21(21歳以下)世代が代表入りする可能性もある。U−21日本代表の森保一監督がコーチとして入閣し、円滑な情報収集が可能になった。

選出の最有力候補は堂安律(フローニンゲン)だ。19歳の新鋭は今季移籍したオランダ1部リーグで9ゴールを奪った。主戦場の右FWは日本代表で本田が入る位置。
代表入りは将来への投資となり、チームの起爆剤にもなり得る。

ドイツ1部リーグで終盤に6試合連続先発した20歳の伊藤達哉(ハンブルガーSV)も結果を残した。(小川寛太)

産経新聞 
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