巨人・上原浩治投手(43)の起用法が混迷の度合いを深めている。

 ゴールデンウイークの9連戦は2試合に中継ぎで登板。ともに大量リードの展開で1イニングずつ投げた。4月30日のヤクルト戦(東京ドーム)は3者凡退と完璧。だが5月5日の横浜DeNA(横浜)は、2死からドラフト2位新人の神里にソロ本塁打を被弾した。

 本人は6日にブログを更新し「インコースの難しいとこだったと思うけど、スタンドまで持っていかれた。球威がないってことかな。悔しいけど…」と心情を吐露した。

 だが、より重要な意味を持っていたのは、登板しなかった前後の同カード2試合だ。4日は延長12回0−0引き分け。先発菅野が8回まで投げた後、カミネロ、マシソン、沢村と勝ちパターン継投をつぎ込み、11回まで無失点リレー。両軍譲らず迎えた12回、マウンドに送られたのは宮国だった。つまり現状、ブルペンで上原の位置づけは5番手以下。競った試合では使えない。かといって、序盤に大差をつけられた6日は登板せず。敗戦処理やリードされた展開でも使われない。起用条件は極めて限定的だ。

 球界に広がる新たなデータ革命の呼び水、高性能弾道測定器「トラックマン」も脅威に。導入している広島以外の11球団でデータが共有されるため、「真っすぐが来てないとか、フォークの落ちが悪いといった印象が、数値としてはっきり出てくるから、上原という大物と打席で対面しても、選手が名前負けしない」(他球団スコアラー)。

 もはや顔で抑えられないなら、トラックマンの数値でも裏付けられるまで、投げるボールのレベルを上げるしかない。(笹森倫)
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