「記憶が曖昧」「捜査中なので」――。まるで安倍政権に忖度する官僚のような“答弁”の連発だった。

 NHKの番組出演を通じて知り合った女子高生(16)を自宅マンションに呼び出し、無理やりキス。強制わいせつ容疑で警視庁に書類送検された「TOKIO」の山口達也(46)が26日、都内で会見した。約200人の報道陣を前に手を震わせ、脂汗をにじませながら、無期限謹慎すると公表した。

 謝罪やメンバーへの思いは冗舌に語った山口だが、事件当日の2月12日に「何もしないなら帰れ」と女子高生に言い放ったのか、女子高生が母親に電話で助けを求めたことを知っていたかとの質問には、「捜査中なので申し上げることができない」と回答拒否。自らの行為についていくら問われても「酩酊、泥酔という感じになってしまいまして」「記憶が断片的」などと、酒のせいにしてゴマかし続けたのだ。

■「体を触るなどの行為に及んだ可能性」

 何かを隠しているような口ぶりだったが、山口は本当に女子高生にキスしただけなのか。警視庁は書類送検の際、起訴を求める最も厳しい「厳重処分」の意見を付しているから、山口の行為を相当厳しくみているということ。女子高生の両親も〈決して許せるものではありません〉と怒りのコメントを寄せた。警察も被害者側も“フレンチキス”程度だったとは思えない対応だ。キスしたのは唇だけとも限らない。山口はよっぽどのことをやらかしたに違いない。

 過去にも“乱交”寸前の騒動を起こした有名人が、強制わいせつ容疑で書類送検された例がある。

 有名お笑い芸人Nは2000年3月、民放関係者と共に繁華街のカラオケ店で、呼び出した知人女性の服を脱がし、性器に野菜スティックを挿入する乱痴気騒ぎを起こした。女性が被害届を提出し、結果的に不起訴処分になったが、警察はNらを強制わいせつ容疑で書類送検したのだ。

 マンションには被害者の女子のほか、もう1人、共演者でもある友人の女子高生がいたという。まさかとは思うが、山口らは3人で“乱交”状態だったのだろうか。キスだけで強制わいせつに問えるとも思えない。

「当時の状況によりますが、体を触るなどキス以上の行為に及んだ可能性はあります。何より、女性が被害届を取り下げる意向を示しているのに、警察が厳重処分を付したことには驚きです。女性が未成年であることなどが影響したとも考えられますが、肩や腕を押さえたり、脅迫した上で無理やりわいせつ行為に及んだ可能性もあるでしょう」(アトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹代表弁護士)

 会見で「甘え」を口にしながら、その要因を満足に答えられなかった山口。“ジャニタレ”だからと、メディアも酒乱の淫行を許してはいけない。

日刊ゲンダイDIGITAL2018年4月27日16時50分
https://news.infoseek.co.jp/article/gendainet_457809?ptadid=